隠岐の島町へ船で入ると、西郷港の周りに交通と商業の密度を感じます。けれども町域は島後のほぼ全体に広がり、布施、五箇、都万、中村などへは港からさらに道路が続きます。港周辺だけを見て「島の中心に近い」と判断すると、地域へ戻る最後の一区間が抜けます。
この記事では、合併前の4町村と、路線バス・町営バス・デマンド交通の三層から島後を読みます。
西郷港で島後全体を測らない
船の入口から町の端まで、もう一つの長い移動があります。
町内に鉄道駅はありません。島外交通の入口は西郷港と隠岐空港ですが、港や空港への距離が、そのまま買い物、通院、通学の使いやすさを表すわけではありません。
西郷側の住所では港までの徒歩や市街地内の移動、周辺地域では港へ向かう路線と帰便を分けて測ります。船の出港時刻からではなく、自宅を出る便と帰宅できる便から逆算します。
島外へ出る日は、船や飛行機に乗った後より、欠航・遅延時に西郷側で待てるか、地域へ戻れるかを確認します。港へ着いたことを一日の終点にしません。
西郷港は島後の玄関ですが、布施・五箇・都万までを同じ港勢圏にする点ではありません。
旧四町村を現在の支所圏で読む
合併前の地域差を、支所・学校・診療所の配置から確かめます。
隠岐の島町は2004年、西郷町、布施村、五箇村、都万村の合併で誕生しました。現在も布施、五箇、都万に支所があり、中村には出張所があります。
学校や診療所も西郷だけに集約されていません。五箇には小中学校と診療所、都万にも小中学校と診療所、布施や中村にも診療機能があります。地域内で閉じる用事と、隠岐病院や西郷へ出る用事を分けます。
候補住所では、旧町村名、最寄りの支所・出張所、地域内の医療・教育、幹線バスへの乗車点を一枚にします。行政区の歴史を紹介で終えず、現在の生活機能へつなぎます。
合併前の四地域は、現在も支所、学校、診療所、交通のまとまりとして暮らしに残ります。
三層の交通を最後の一区間へ接ぐ
幹線、地域内循環、予約交通を同じ路線表へ混ぜません。
町内の公共交通には隠岐一畑交通の路線バス、町営バス、デマンドタクシーがあります。三つを同じ頻度・同じ乗り方の交通とは考えません。
路線バスは都万、五箇、中村、布施などと西郷側を結びます。町営バスには五箇循環線や都万診療所循環線などがあり、地域内の移動を補います。デマンド交通は予約条件と対象区間を最新案内で確認します。
まず自宅から地域側の乗車地点、次に幹線、西郷側の目的地、最後に逆順の帰路を書きます。路線バスを降りてから徒歩で届かない場合だけ、地域内交通や送迎を接ぎます。
三層の交通は選択肢の数ではなく、幹線から自宅へ戻る最後の一区間を埋める仕組みです。
病院から正午台に帰る日を試す
朝に中心へ出られることより、用事後に地域へ戻れる時刻を見ます。
地域公共交通計画の利用調査では、都万線は朝に隠岐病院周辺へ出て正午台に地域へ戻る利用が目立ちました。五箇線や布施線でも、地域固有の停留所と病院までの区間に利用が集まります。
この調査結果を現在の時刻そのものとはせず、生活の試し方に使います。受診日を想定し、受付、診察、薬、待ち時間を含めて正午台の帰便へ間に合うかを現行時刻で確認します。
間に合わない場合は次便まで待てる場所、地域内交通への接続、家族の迎えなしで帰れる最終時刻を記録します。朝に病院へ行けることだけで、通院が成立すると判断しません。
確認票には交通名だけでなく、予約の要否、乗継地点、一本逃した場合の待機場所まで書きます。五箇で町営バスから幹線へ接ぐ日と、都万から西郷へ直行する日を同じ一行にせず、地域ごとに別の往復を作ります。交通が三種類あることより、自宅側の一本が欠けても代替できるかが重要です。
島後の通院は病院へ着く便より、診察後に四地域へ戻る正午以降の便が一日を決めます。
海岸と谷で戻らない線を分ける
港へ集まらず、現在地の地域側で待てる計画を持ちます。