出雲市を地図で見ると、広い出雲平野が一枚に見えます。しかし、市の都市計画マスタープランは市域を13地域に分けています。JR山陰本線と一畑電車、斐伊川と神戸川を重ねると、平野の中にも異なる日常の向きが現れます。
出雲市駅から何分かを測る前に、13地域のどこで一日を閉じるかを決めます。
出雲平野を一枚の生活圏にしない
広い平地の中にある地区差を、二河川と市街地のまとまりから見つけます。
出雲・中央は今市、大津、塩冶、四絡で構成され、西部、北部、南部にも別の地区があります。中心部という一語の内側でも、駅、二つの川、幹線道路、公共施設との位置はそろいません。
候補住所から出雲市駅へ向かう道だけでなく、買い物、受診、学校の用事を済ませて同じ地区へ戻れるかを歩きます。平地でも川や線路を越える位置が限られれば、直線距離は日常時間になりません。
朝、夕方、大雨後の三回に分け、交差点、橋、アンダーパスを記録します。出雲平野は平らな一生活圏ではなく、地区と川と鉄道が重なる複数の生活面です。
13地域は比較表では五群に畳みます。出雲・中央を基準にせず、斐川は斐伊川東側、平田は宍道湖と北松江線、大社は大社線と海岸、佐田・多伎・湖陵は内陸谷と西側海岸という別の出口を持つためです。各群の内部差が残る場合は、13地域名へ戻って確認します。
JRと一畑電車を13地域から選び直す
駅から地域を広げず、先に地域を選んで使う鉄道を決めます。
JR山陰本線は出雲・中央や斐川、多伎方面を東西に結びます。一畑電車は電鉄出雲市から川跡を経て、平田・松江方面と大社方面へ分かれます。二つは同じ目的地を代替するだけの路線ではありません。
出雲・中央と斐川ではJR、平田では北松江線、大社では大社線を先に確認します。川跡など乗換えがある日は、乗車時間だけでなく待ち時間と最終接続を一組にします。
自転車や車を駅へ置く場合は、帰りに同じ系統へ戻れる日だけを予定表へ入れます。駅から住所を探すのではなく、13地域を先に選ぶと、見るべき鉄道と乗換えが自然に決まります。
接続を逃した時は、別会社の駅へ急いで移る前に次便、地域側の帰便、車両を置いた駅の順で確認します。平田・大社側の日とJR沿線の日を同じ予定へ詰めず、反対系統へ到着した時は用事を一件外します。乗換えの成功だけでなく、失敗した夕方にも帰れるかを試します。
二つの川を越える日常を測る
斐伊川と神戸川を、景観ではなく用事と帰路を分ける線として読みます。
斐伊川と神戸川は出雲平野を流れますが、同じ川ではありません。候補住所がどちらの流域にあり、通勤・通学・受診でどの橋を使うかを分けます。
斐川と出雲・中央を往来する日は斐伊川、出雲・西部や南部を動く日は神戸川との位置関係が重要になります。橋を渡る用事を一日に集めるか、川の同じ側で済ませるかを試します。
内水は大河川から離れた道路や宅地でも起こり得るため、洪水地図だけで終えません。平地では坂の少なさより、二河川と内水箇所を避けて帰れる道が何本あるかを数えます。
月曜は斐伊川を越えない用事、水曜は神戸川を越えない用事、金曜だけ橋を使う用事に分けます。橋を使う日は最後の用事を自宅側へ置き、増水情報が出たら先に削る予定も決めます。一週間で川を越える必然が何回あるかを住所ごとに比較します。
平田・大社・斐川・南西部の中心を分ける
出雲・中央からの距離だけでは消える、地域ごとの入口を残します。
平田は中央・西部・東部、斐川は東部・西部に分かれ、大社、佐田、多伎、湖陵もそれぞれ独立した計画地域です。出雲・中央から遠い順に並べるだけでは、地域内の中心と交通が消えます。
平田では一畑電車と宍道湖側、大社では大社線の終点後と海岸、多伎・湖陵では山陰本線と海岸、佐田では道路と生活交通を主役にします。候補地の支所・行政窓口、受診、買い物を一日で閉じられる地域側を探します。
現在の市域は2005年の広域合併と2011年の斐川町編入でできました。13地域は合併史の名残ではなく、出雲市駅を通らずに成立する日常を見つけるための現在の単位です。
平田の日は平田地域内、大社の日は大社線終点側、斐川の日は東部または西部、佐田・多伎・湖陵の日はそれぞれの地域内で、行政・買い物・受診のうち二つを閉じられるか試します。閉じない用事だけを出雲・中央へ運び、毎日の中心往復を前提にしません。
平地の内水と海・山の避難を重ねる
同じ市域にある異なる災害を、一つの安全イメージにまとめません。