乙部町の日本海岸には、中心の館浦・緑町・元町・滝瀬、北の元和・栄浜・栄野・鳥山、南の豊浜・花磯・潮見・三ツ谷が続きます。海岸から内陸へ入ると、姫川、富岡、旭岱、千岱野等の農地・集落があります。
町内に現行鉄道駅はありません。だからといって交通を「車かバス」で二分すると、乗り合いタクシーや患者輸送バスが支える時間・地区が抜けます。
乙部町は、海岸三群と内陸を、役割の違う三つの交通で中心へ寄せる町です。
中心・北海岸・南海岸・内陸を分ける
海岸線の町を一列に見ず、四つの生活面と中心までの方向を置き直します。
緑町には役場、乙部町国民健康保険病院、福祉施設等が集まります。隣接する館浦には教育委員会、公民館、町民会館、給食センターがあり、中心部でも用事は一地点にまとまりません。
北海岸の元和・栄浜・栄野・鳥山は国道229号で中心と熊石方向へ続きます。海岸道路と段丘上の農地を行き来する住所では、バス停だけでなく坂・冬道・津波避難を見ます。
南海岸の豊浜・花磯・潮見・三ツ谷は江差方向へ開きます。中心へ戻る便と、江差へそのまま進む便を分けます。海岸の風、波、斜面、道路規制も北海岸と同じとは限りません。
同じ檜山海岸線でも、北海岸は熊石側から中心へ、南海岸は江差側から中心へ入る位置にあります。通学・受診で江差へ向かう家庭は南側ほど途中経路が短く見えますが、実際には停車便と帰宅時刻で確かめます。北側では中心で乗り継ぐか、便の経由によって行程を分けます。
姫川・富岡・旭岱等は内陸の農業地域です。海岸の南北と内陸では、中心への距離より、使える交通の対象と曜日が変わります。
三つの交通を対象から組み合わせる
広域バス、空白時間を補う乗り合い、郊外の患者輸送を同じ交通として扱いません。
函館バスの檜山海岸線は、江差ターミナルと乙部、熊石方向を結ぶ広域軸です。町内循環だけの路線ではないため、江差での乗継、学校、病院の受付、最終帰宅便を確認します。
乙部町乗り合いタクシーは、檜山海岸線の空白時間や江差高校生の帰宅を補う目的で始まりました。通常タクシーのようにいつでも任意地点へ呼べるとは考えず、対象地区、予約、乗降場所、運行日を最新案内で見ます。
患者輸送バスは、民間バスや乗り合いタクシーが届きにくい郊外の通院を支える別の資源です。交通計画には買い物等へ利用目的を広げる検討もありますが、検討内容を無条件の現行利用へ置き換えません。
町の交通計画は、富岡・姫川、滝瀬、豊浜・栄浜方面等から中心の医療へ向かう患者輸送を、限られた町内資源として扱います。候補住所がどの運行区域に入るか、診療日と便が合うかを町へ確認します。買い物利用の拡大は計画上の検討として記録し、現時点で誰でも乗れる一般便とは書きません。
三交通は数を足すのではなく、広域移動、空白時間、郊外通院という対象へ一つずつ置きます。
緑町と館浦へ日常の用事を分ける
役場・病院と教育・公民館が少しずれて集まり、中心部でも一地点では完結しません。
役場・病院を緑町へ置き、教育・公民館の用事を館浦へ置くと、中心部の移動が具体化します。徒歩圏でも国道・町道の横断、冬の路面、病院受付後の薬・買い物を確認します。
北・南海岸から中心へ出る日は、受診だけでなく役場、買い物、金融、荷物受取を同じ日に束ねられるかを見ます。帰便までの待ち時間に、徒歩で回れる順序を試します。
町外専門医療や高校通学は江差方向が生活に入ります。中心の停留所で乗り継ぐのか、自宅側から広域便へ乗るのかを分け、悪天候時の迎えを決めます。
高校生向けにはバス定期購入費の助成や、檜山海岸線の定期保有者が乗り合いタクシーを利用する仕組みが案内されてきました。対象年度・販売方法・登録を確認し、一般の通院・買い物客にも同条件が適用されるとは考えません。通学制度は登校便だけでなく、部活動後の乗り合い予約まで一組で見ます。