北海道の日高町には、同じ町内なのに町域がつながっていない二つの地域があります。太平洋に面する門別地区と、日高山脈側の日高地区。その間には平取町があり、本庁と日高総合支所は約65キロメートル、車で約1時間離れます。
海側と山側では、気候も交通も防災も違います。「日高町に住む」を一つの説明にせず、どちらの地区で一週間を送るのかから始めます。
同じ町名を65km離れた二生活圏へ開く
門別地区と日高地区を、町内の遠近ではなく別々の日常圏として見ます。
門別地区には富川、門別本町、厚賀・清畠・豊郷などの沿岸集落があります。富川は商業・交通・学校機能が集まり、門別本町には本庁と門別国民健康保険病院があります。日高地区には総合支所と日高小・日高中があり、山側の日常拠点を作ります。
両地区の間を毎日往復する前提ではなく、地区内で済む用事、苫小牧・静内方面へ出る用事、平取・占冠方面へ出る用事を分けます。住所欄が同じ日高町でも、頼る町外都市は一つではありません。
家族の勤務先も二地区を横断させずに書きます。富川から苫小牧方向へ出る人と、日高市街から平取・占冠方向へ出る人では、悪天候時に戻る側が違います。「町内へ帰る」という連絡だけでは待ち合わせ場所が決まりません。
65キロ離れた飛び地を「同じ町内」で丸めず、門別と日高に二つの生活予定表を作ります。 本庁までの距離だけで地域を比べません。
旧鉄道ではなく現行バスから駅なしを読む
旧駅名に頼らず、海側・山側の広域バス停と町外接続を確認します。
JR日高線の鵡川―様似間は2021年4月1日に鉄道営業を終えました。旧富川、日高門別、豊郷、清畠、厚賀などの駅名を見かけても、現在利用できる鉄道駅ではありません。町内の現行公共交通は、広域バスの停留所と路線から調べます。
海側では苫小牧、鵡川、静内方向、山側では平取を経て日高地区へ向かう便など、目的ごとに路線が変わります。列車との接続は町外駅まで含め、帰りの最終バスを先に選びます。
旧駅跡に近い住所でも、現在の停留所が同じ場所、同じ名称、同じ乗り方とは限りません。候補地を歩く時は、古い鉄道地図ではなく現行バスの停留所標識と道路を起点にします。
富川の複合施設「とみくる」は交通ターミナル機能を持ちます。待合場所があることと、全ての方面へ頻繁に便があることは別なので、乗る日の公式時刻表を確認します。
日高町の「駅なし」は移動手段なしではなく、旧駅の線から現在のバス停の線へ地図を替えることです。 古い経路検索を予定表へ残しません。
すこバスの本格区域と試験区域を混ぜない
富川・門別本町の現行サービスと、試験終了後に検討中の地域を分けます。
AIオンデマンドバス「すこバス」は、富川・門別本町地区で2025年10月から本格運行しています。一方、日高地区と広富・豊郷・清畠方面で行われた試験運行は終了し、本格導入は検討中です。
同じ名称の案内を見ても、対象住所、利用日、予約、乗降場所を確認します。試験中の資料や過去の広報を、現在予約できる交通として数えません。富川側でも、希望時刻に必ず一人で直行できる通常タクシーとは仕組みが違います。
日高地区や沿岸外縁では、広域バス、通常タクシー、家族送迎を現行の表へ置きます。将来の本格導入を待たず、今週の受診へ使える手段だけで往復を組みます。
過去の実証資料を見つけたら、表紙の年度だけでなく運行終了日を確認します。アプリ画面や予約番号が載っていても、終了した地区では使えません。現行ページへの更新日と対象地区を一緒に記録します。
交通サービスの町名が同じでも、運行区域が同じとは限りません。 本格・試験終了・検討中を三つに分けます。
本庁と総合支所へ用事を分ける
65kmを往復する前提を外し、地区内で済む行政・医療・教育を探します。
門別本町の本庁と、日高地区の総合支所は、互いの代替ではありません。証明、相談、福祉、教育などについて、最寄りの庁舎で扱える手続きを先に聞きます。日高地区から本庁へ行く項目だけをまとめます。
医療も同様です。門別側には国保病院があり、日高側には地区内の診療機能があります。診療科、診療日、検査、薬の受取、専門医療の紹介先を確認し、65キロを越える移動と町外受診を混ぜません。
学校は日高、富川、門別、厚賀の各地区に小中学校があります。子どもの通学圏は町全体ではなく、地区の生活圏を強く映します。
飛び地の不便を我慢して本庁へ通うのではなく、地区内で済む用事を見つけて65キロの往復を減らします。 窓口名より取扱内容を確かめます。