古平町の市街地は、日本海へ注ぐ古平川と漁港の周囲に集まります。町域の約89%が山林で、平地は古平川・丸山川沿い等に限られるためです。
都市計画マスタープランは、古平漁港の西防波堤付近を境に、浜町方面を東部、新地方面を西部と分けます。小さな市街に見えても、徒歩先と災害時の逃げ方向は同じではありません。
古平町は、河口の限られた平地に形成された東西二つの市街を、複合拠点と三種類の交通で結ぶ町です。
漁港を挟む東部・西部で徒歩先を分ける
公式の二地域を、古平川・漁港・山際と、日常の徒歩先から読みます。
東部の浜町には役場、複合施設かなえーる、商店、国道沿いの交通があります。日常の手続き、図書館、交流機能を一度に寄せやすい側です。
西部の新地町・丸山側には住宅、福祉施設、山際の道路があります。東部へ向かう時は漁港・川周辺を横切るため、平時の徒歩と洪水・津波時の経路を分けます。
港町・入船町は海と漁港に近く、働く場所と住居が近い場合があります。一方、夜間の津波避難では、暗い道、坂の入口、冬の積雪が距離を延ばします。
丸山・清住側は高い場所があっても、斜面の土砂災害や除雪を確認します。海から遠い、高いという一条件で安全を決めません。
東西市街の違いは中心からの距離ではなく、毎日の徒歩先と災害時に横切る川・港・斜面にあります。
かなえーるに集まった行政・図書館・防災を一日の拠点にする
浜町の複合施設を、手続きだけでなく交流・情報・避難の結節として使います。
浜町50番地の複合施設「かなえーる」には、役場庁舎、地域交流センター、図書館・視聴覚室、防災機能が集まります。2021年建築の施設で、町の公共機能を再編した拠点です。
開庁時間、図書館、交流センターは利用できる曜日・時間が同一ではありません。同じ建物にあることを、いつでも全機能が使える意味にしません。
子育て・教育相談、行政手続き、図書館の用事を一日に寄せられる一方、診療所や温泉等は別の場所です。かなえーるから次の施設まで、徒歩か町内交通かを選びます。
図書館が開く日でも役場窓口が閉まる時間があり、交流センターの夜間利用とも一致しません。一つの建物を「終日開いている町の窓口」と捉えず、用事ごとの時間を予定表に分けます。
防災時には情報・備蓄・避難の機能を持ちますが、自宅から安全に到達できるかは別です。古平川を渡る住所、海岸側の住所では、最寄りの避難場所を優先します。
複合施設の価値は機能数ではなく、平日に複数の用事を一回の移動へまとめられることです。
中央バス、町内循環、予約乗合を同じ交通にしない
余市・小樽へ出る線、町内を回る線、細かな移動を補う仕組みに分けます。
町内に鉄道駅はありません。余市・小樽方面や積丹方面へ向かう広域交通は、国道229号を走る北海道中央バスが入口です。
町のコミュニティバスは、温泉や海のまちクリニック等を結ぶ町内循環です。日曜・祝日・年末年始等は運行せず、温泉休館日に一部便が運休するため、毎日同じではありません。
2023年5月には予約制乗合タクシーが始まり、それに伴ってコミュニティバスの時間と路線も変更されました。古い時刻表を保存したまま使わず、二つの町内交通の現行案内を見ます。
通院は乗合タクシー、町内施設間は循環バス、余市の病院や鉄道駅へは中央バスというように、目的ごとに分けます。診察後の帰便、予約締切、停留所から自宅までを一組にします。
町立診療所・介護医療院で始める受診、余市協会病院等へ紹介される受診、小樽の二次救急を使う場面も同じではありません。町内交通の有無だけで医療の安心を判断せず、段階が変わった日の移動を別に持ちます。
序列ではなく特性の整理 | 項目 | 生活の入口 | 住所を確かめる要点 |
| 浜町・東部 | かなえーる、国道、商店、町内交通 | 徒歩、古平川洪水、津波 |
| 港町・入船町 | 漁港、沿岸道路、郵便局 | 津波、夜間避難、橋 |
| 新地町・西部 | 福祉施設、住宅、町道 | 東部への移動、土砂、津波 |
| 丸山・清住 | 山際、高台側道路、公共住宅 | 坂、土砂、除雪、河川 |
| 沢江・歌棄等 | 国道229号、町内交通 | 便、中心までの距離、冬道 |
三つの交通があることより、広域・循環・個別補完のどれを使う日かを先に決めることが重要です。
ニシンの港町が河口の小さな平地へ集約した理由
漁業の歴史を紹介で終えず、現在の市街地と町外生活圏へつなぎます。
古平は江戸時代に「古比羅」「フルビラ場所」と呼ばれ、ニシン漁場を基礎に発展しました。港周辺へ人と施設が集まった歴史は、現在の市街が海・川の近くにある理由へつながります。
現在は漁業だけで生活が完結する町ではありません。町内の診療・行政と、余市の病院・商業・鉄道、小樽の広域機能を道路交通で組み合わせます。
古平川沿いの平地は住居や施設を置きやすい一方、水害条件を持ちます。町の成り立ちを懐かしい港町の話で終えず、今の住宅地と避難経路へ戻します。
沢江・歌棄等の外縁では、中心までの距離、冬の国道、町内交通の停留所を見ます。行政区域が広くても市街機能が集約しているため、外縁からの一回の往復を丁寧に組みます。
海から離れる道に洪水と土砂の条件を重ねる
津波から遠ざかる方向が古平川・丸山川や斜面へ近づかないか確認します。
防災ハンドブックは津波に加え、古平川の想定最大規模洪水を掲載します。海から内陸へ移る道が、川の浸水区域へ入らないかを確認します。
山際の丸山・新地側には土砂災害の確認が必要です。津波時に高い方へ向かう経路と、豪雨時に斜面から離れる経路を同じ一案にしません。
橋が使えない時は東部・西部間の移動が変わります。自宅側で待てる避難場所、家族が対岸にいる時の集合、冬の徒歩時間まで決めます。
古平では、海からの距離を延ばすだけでなく、川を渡らず、斜面へ近づかない二本目の経路を住所ごとに持ちます。
Q. 古平町内に鉄道駅はありますか?
ありません。国道229号の路線バスで余市駅・小樽方面等へ接続します。
Q. 東部と西部は町の公式区分ですか?
都市計画マスタープランが浜町方面を東部、新地方面を西部と整理しています。
Q. かなえーるには何がありますか?
役場、地域交流センター、図書館・視聴覚室、防災機能等があります。利用時間は機能別に確認します。
Q. コミュニティバスと乗合タクシーは同じですか?
別の交通です。循環路線、予約、運行日、行き先を目的ごとに確認します。
Q. 医療は町内だけで完結しますか?
町内診療を入口に、検査・救急等では余市・小樽方面への往復も考えます。
Q. 海から遠い西部なら安全ですか?
洪水、土砂、橋、冬道があるため、住所別に避難先と経路を確認します。
古平町では、候補住所をまず東部・西部へ置き、かなえーる、診療所、余市方面のバス停までを平日と日曜に分けて歩きます。次に古平川を渡らない避難先と斜面から離れる道を一本ずつ選びます。最後に橋が使えない時も自宅側で待てる場所を決めれば、集約市街の近さと河口・山際の条件を同じ地図で判断できます。
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