恵庭市の千歳線には、島松、恵み野、恵庭、サッポロビール庭園の4駅があります。札幌と新千歳空港の間に駅が連なるため、地図では南北にまとまった通勤都市へ見えるかもしれません。
ところが、市の都市計画が地域拠点に位置付けるのは島松、恵み野、恵庭の3駅です。4駅を同じ大きさの駅前として比べると、工業地に接するサッポロビール庭園駅と、公共・商業・住宅機能を分担する3駅の違いが消えます。
恵庭は「四駅の街」ですが、暮らしは三つの駅拠点を中心に組み立てます。
四駅を三つの生活拠点と工業側の入口に分ける
駅の数と生活中心の数が一致しないところから、恵庭の地域像を組み立てます。
恵庭駅は快速列車も使える広域移動の入口で、市役所や複合施設えにあすなど中心の用事へつながります。駅の東西で道路とバス停が分かれるため、改札に着く時間だけでなく、駅を出てから目的地までを歩いて確かめます。
恵み野駅は計画的に整備された住宅地の入口です。図書館、学校、医療機能が周辺にまとまる一方、住宅地は駅の東西へ広がります。恵み野という地区名だけで徒歩圏と考えず、駅のどちら側か、エコバスがどの停留所を通るかを見ます。
島松駅は市北部の旧来市街と農地を支える駅です。札幌方向の通勤に使う日と、恵庭中心へ行政・通院の用事で向かう日では、同じホームから乗る列車でも目的地が違います。
サッポロビール庭園駅は現行の4駅目ですが、都市計画上の3地域拠点には含まれません。戸磯の工場・事業所側へ通う入口としての意味が強く、駅近を理由に買い物や手続きまで徒歩で完結すると見込みません。
駅名ではなく、駅前が担う用事を四駅それぞれに書き出します。
島松・恵み野・恵庭を形成時期から歩く
旧来市街、計画住宅地、行政中心という異なる時間が、三駅の役割を分けています。
島松は、旧漁村を母体とする恵庭側と並び、市の沿革を支えた旧来地域です。漁村・島松村を共同で扱った戸長役場の時代から二つの地域は結ばれてきましたが、現在も島松支所と恵庭市役所という行政の入口は同じ場所ではありません。北側農地や北広島市境から駅へ出る冬の距離も、駅前の徒歩だけとは分けて測ります。
恵み野は後から整えられた住宅地で、街路や公園、公共施設の配置が旧来市街と異なります。図書館や恵み野出張所を使う日も、本庁へ行く日と同じ行程にはなりません。整った区画でも、駅から遠い住区ではバス停までの距離が日常を左右します。荷物を持つ日、雪が積もる日も同じ経路で歩けるかを確認します。
恵庭駅周辺は行政と広域鉄道利用の中心です。ただし、市は一つの中心へ全機能を集めるのではなく、3駅が必要な機能を分担する方針を示しています。家族の通勤先が恵庭駅でも、図書館や学校、支所の用事は別の拠点へ向かうことがあります。
三駅を優劣で並べる代わりに、平日によく使う用事を駅別に置きます。行政、通院、買い物、通学が同じ駅に集まらないなら、駅間を移る方法が必要です。
四コースのエコバスを三駅でつなぐ
循環バスは一本の長い路線ではなく、乗継券と待ち時間を含めて使う交通です。
えにわコミュニティバス「エコバス」は、2025年9月からA・B・C・Dの4コースで運行しています。従来のA・BにC・Dが加わったため、古い2コースの路線図だけでは現在の移動を組めません。C・Dは恵み野駅東口を起点に、恵庭駅西口と島松駅を結ぶ循環コースです。
3駅ではコース間の乗り継ぎができ、乗継券は発行日当日に使います。路線図では一本につながって見えても、駅での停車時間と次便の時刻を省けません。受診や窓口の終了時刻から逆算し、帰宅に使うコースまで先に決めます。
バスロケーションは接近や遅延を確認する助けになります。島松、恵み野、恵庭の駅には表示設備もあります。ただし、位置情報が分かることと運行本数が増えることは別です。最終便を逃した日のタクシー、家族送迎、徒歩を用意します。