魚津市の海岸線は約8kmです。地図では東西の幅が短く見えますが、海辺から山側へ線を引くと、標高は2,415mまで上がります。市域の約70%は標高200m以上の急峻な山地です。海から近いかではなく、何m上がり、どの川の谷へ入り、どの交通へ切り替えるかで距離を測ります。
市内には、大町、村木、道下、経田、片貝、松倉など13の地区があります。魚津駅と新魚津駅は鉄道二社の接続点、電鉄魚津駅周辺は別の都市機能の核です。平面図へ駅だけを置くのではなく、13地区を海岸、市街地、扇状地、谷筋へ立体的に置き直します。
8kmの海岸を2,415mまで立てる
短い東西距離へ標高差と谷の曲がりを加え、実際の移動時間を測ります。
富山湾から東へ進むと、市街地と扇状地を経て急な山地に入ります。直線距離が同じでも、経田の海岸側と片貝の谷側では道路の勾配、橋、冬の日照、雨の日の条件が異なります。候補住所から駅、学校、食品店、受診先までの経路に標高を書き込みます。
山側から市街地へ下る朝は短く感じても、買い物袋を持って戻る夕方は上りになります。車、自転車、徒歩、地域交通で同じ往復を試し、谷の入口から自宅までの時間を省きません。除雪後の道幅や夜間照明も確認します。
海岸側でも平坦という一語で括らず、河川、地下道、踏切、海風を見ます。市域の短さを生活の近さへ置き換えないことが大切です。
魚津の距離は海岸からのkmではなく、2,415mへ向かう標高差と谷の出口までの時間で測ります。
二つの駅核を使い分ける
魚津・新魚津の接続点と電鉄魚津周辺を、目的地と帰路で分けます。
あいの風とやま鉄道の魚津駅と富山地方鉄道の新魚津駅は隣接し、鉄道二社を乗り継ぐ入口になります。一方、電鉄魚津駅は市街地南寄りにあり、立地適正化計画では魚津・新魚津周辺とともに都市機能を考える核です。
富山・黒部方面へ通う日、地鉄沿線へ向かう日、市街地で用事を済ませる日で入口を分けます。魚津・新魚津の接続だけが毎日の目的ではありません。大町・村木側なら電鉄魚津へ近い用事、本江・下中島側なら市民バスや道路で直接向かう用事もあります。
候補住所から三駅へ線を引き、列車の頻度だけでなく、駅までの横断、帰宅時の徒歩、雨雪を確認します。駅名の大きさではなく、週に使う目的地がどちらの鉄道に載るかで選びます。
乗換えの日は、魚津駅の改札から新魚津駅の乗り場までを実際に歩きます。案内上は接続していても、荷物、雨雪、子ども連れでは必要な余裕が変わります。最終列車同士だけで成立する予定にせず、一本遅れた場合に待てる場所と迎え地点を決めます。
魚津・新魚津は鉄道接続の核、電鉄魚津は別の生活核として、同じ駅前にまとめず使い分けます。
13地区を川と谷へ戻す
地区名を、海岸、市街地、扇状地、片貝川等の谷筋へ置き直します。
公式の13地区は、大町、村木、下中島、上中島、松倉、上野方、本江、片貝、加積、道下、経田、天神、西布施です。地区名を住所欄の分類で終わらせず、どの河川、谷、駅、市街地に結び付くかを確認します。
道下・経田は海岸や魚津駅側、大町・村木は市街地、加積・天神・西布施は平野・扇状地、上野方・松倉・片貝は東の谷筋を考える入口になります。ただし、地区内にも高低差があるため、境界線だけで交通を決めません。
食品、受診、学校、行政、仕事を「地区内」「魚津・新魚津周辺」「電鉄魚津周辺」「市外」に分けます。川を越える回数と、谷から市街地へ出る回数を一週間に書きます。
13地区は市を13等分する名簿ではなく、候補住所がどの川と谷から市街地へ出るかを探す索引です。
定時便と予約便を時間帯でつなぐ
朝夕と日中で交通が切り替わる地区の一日を、帰便から組みます。
魚津市民バスは、市街地巡回の東・西ルートと郊外八ルートで構成されます。市街地巡回は毎日の用事を組みやすい一方、郊外便は原則として月曜から土曜で、日曜・祝日等の条件が異なります。全路線を同じ頻度として比較しません。
さらに上野方、松倉、坪野、中島の各ルートでは、日中の一部時間帯が予約交通「チョイソコ」に置き換わります。朝に定時便で下り、日中は予約便、夕方は再び定時便という一日もあります。予約締切、乗降地点、対象時間を利用日ごとに確認します。
通院が延びた日、日曜日、荷物が多い日を別に作り、どの交通で谷へ戻るかを決めます。家族送迎へ切り替える場所も、駅前と谷の入口の二候補を持ちます。
定時便と予約交通を同じ線として眺めるだけでは足りません。朝の定時便で市街地へ出たら、帰りは「日中の予約枠に収める」「夕方の定時便まで待つ」の二案を作ります。予約が取れない日にも帰宅できるかを確かめると、車なしの日の現実が見えます。