鳥羽駅から海を見ると、港はすぐ近くにあります。しかし、改札から乗船口まで歩き、切符や荷物を整え、島ごとに異なる便へ乗る時間は、地図の短い線には表れません。
鳥羽市の暮らしは、本土の鉄道・バスと、市営定期船が結ぶ四つの有人離島を切り離せません。港への到着ではなく、島や沿岸集落の玄関へ戻るまでを一往復にします。
鳥羽駅で鉄道・バス・船を渡す
三つの交通が近接していても、改札、港、停留所の移動と待ち時間を省きません。
鳥羽駅にはJR参宮線と近鉄鳥羽線・志摩線が入り、駅周辺からかもめバスと市営定期船へ接続します。交通が集まっていても、列車を降りた時刻が船の乗船時刻になるわけではありません。
改札から鳥羽マリンターミナル、バス停、待合所までを荷物を持って歩きます。雨や観光繁忙時の混雑、切符購入、次便まで安全に待てる場所を所要へ加えます。
列車が数分遅れただけで最終船に間に合わない日もあります。鳥羽駅の結節力は交通の数ではなく、島や沿岸集落へ帰る最後の乗換を守れるかで測ります。
最終船の一便前を通常の帰宅目標にし、列車到着から乗船までの余白を記録します。一便前に間に合わないと分かった段階で、市役所や買い物へ寄らず直接ターミナルへ向かいます。最終船だけを前提にした日は、列車遅延の数分が島へ戻れない一夜へ変わります。
4離島を一つの航路にまとめない
神島、答志島、菅島、坂手島で、集落、港、寄港順、島内移動を分けます。
市営定期船は神島、答志島、菅島、坂手島を結びます。答志島には桃取、答志、和具の集落・港があり、同じ島でも到着する港と島内の移動が違います。
神島は本土から遠く、坂手島は近くても船を使います。寄港順、直航・経由、最終便を島別に確認し、「離島航路」という一行にまとめません。船舶検査や天候で時刻・使用船・乗場が変わる場合は、市の当日案内を見ます。
答志港へ着いても桃取の玄関へそのまま歩けるとは限りません。4離島は鳥羽港からの距離ではなく、港、集落、島内の最後の移動まで含めて別の生活圏です。
答志島では、桃取へ着く便と答志・和具へ着く便を別の色で予定表へ書きます。島内の道路でつながっていても、夜間や荷物を持つ日の徒歩を当然の代替にしません。診療、学校、家族の迎えがどの港を起点にするかを確かめ、港名を省いた「答志島着」という予定を作らないようにします。
本土7駅から沿岸集落へ戻る
近鉄の駅がある地域と、かもめバス・道路が生活線になる地域を別々に確かめます。
鳥羽市内の近鉄志摩線には、中之郷、志摩赤崎、船津、加茂、松尾、白木の各駅があり、鳥羽駅と合わせて本土側の入口になります。駅から離れた国崎、石鏡、相差などは、かもめバスや道路が生活線です。
候補住所から駅、バス停、買い物、医療、玄関までを往復します。駅名が近くても、丘や入り江を越える道、バスの帰便、夜間の照明で時間は変わります。
沿岸道路が止まった時、別のバスも同じ道を通るなら代替にはなりません。本土側の7駅は市域を均等に覆わず、駅の外では湾ごとの道路とバスが帰宅を引き受けます。
受診と買い物を最終船から削る
本土で済ませたい用事を並べる前に、島へ帰れる便と港での待機条件を決めます。
離島から本土へ受診に出る日は、島の出港、港から医療機関、診察、薬、帰りの乗船を先に並べます。予定が延びた時は、当日必要な薬を残し、買い物や行政は次回へ回します。
船の出港直前まで用事を詰めず、欠航や乗場変更を確認する時間を残します。最終船に間に合わない二件目は始めません。宿泊や家族送迎を、いつでも使える代替として数えません。
本土の一時間は、島では一便を失う時間になり得ます。島の暮らしでは本土で何件済ませるかより、最終船を一本前へずらしても成立する予定が安全です。
港へ戻らない避難を島ごとに持つ
津波、高潮、土砂で、船着場とは反対へ動く経路を家族の予定へ入れます。
鳥羽市は地区別の津波ハザードマップを示しています。離島でも本土沿岸でも、地震後に最初から港へ集合せず、集落内の高所や指定された避難先へ向かいます。
大雨時は斜面・道路、台風時は船の欠航や高潮を確認します。津波で高く動く道が、豪雨時には土砂の危険へ近づく場合があるため、原因別に経路を分けます。
家族が鳥羽駅、答志島、相差に分かれている時は、自宅集合を外します。港は日常の入口ですが、災害時には戻らず、それぞれの島・湾で待つ場所を先に決めます。
地震後の連絡は「高所名・到着時刻・動かない」、台風時は「欠航確認時刻・現在地・次の運航確認時刻」と分けます。船の再開情報が出ても港までの道が安全とは限らないため、地区側の道路・津波情報を確認してから高所を離れます。