美郷町には、粕淵駅や浜原駅など旧三江線の駅名が地域の記憶として残ります。しかし三江線は2018年3月末で廃止され、町の公式概要が示す現在の公共交通はバスのみです。
駅跡を中心に距離を測るのではなく、旧邑智と旧大和、江の川の両岸、13地区から現在の乗り場へ暮らしをつなぎ直します。
駅名を現在の乗り場に読み替える
旧三江線の記憶と、現在利用できるバスを混ぜません。
旧駅は集落の位置を理解する手がかりになりますが、今の出発点は町営バス、民間バス、近隣自治体のバス、デマンド乗合タクシーの乗車地点です。
候補住所では、旧駅までの距離ではなく、自宅から現在の乗車地点、待てる場所、目的地、帰りの便を記します。検索地図に駅の記号が見えても、現役路線かを町の最新案内で確かめます。
鉄道で暮らしていた時代の感覚をそのままバスへ移すと、毎日同じ時刻に乗れると思い込みます。曜日、予約、運行主体を便ごとに書き分けます。
旧駅名は地理の記憶として使い、現在の移動は最新のバス乗り場から組み立てます。
邑智と大和へ一日を分ける
2004年に合併した二地域へ、用事の曜日を割ります。
美郷町は2004年10月、邑智町と大和村の合併で成立しました。江の川は二地域を貫きますが、粕渕・浜原側と都賀本郷側では、行政や日常移動の向きが同じではありません。
旧邑智の日は粕渕・浜原側で手続き、買い物、受診をまとめます。旧大和の日は都賀本郷側で閉じられる用事を先に置き、毎回二地域を縦断しません。
同じ一日に両方へ行く必要がある場合だけ、国道375号の移動と帰便を追加します。まずは一地域で閉じる日を作る方が、住所選びの差を具体的に比較できます。
邑智と大和は町内の上下ではなく、用事を別の日に閉じられる二つの生活単位です。
十三地区から結節へ戻る
旧邑智6地区・旧大和7地区を、最寄りの乗車地点につなぎます。
公式資料は、旧邑智を6地区、旧大和を7地区に分けます。粕渕、浜原、吾郷、君谷、都賀本郷など、同じ地域内でも川へ下る道と最寄りの乗車地点が異なります。
住所ごとに地区名、同じ岸の乗り場、最寄りの行政・日用品・受診先を書きます。粕渕竹線の君谷経由やデマンド交通も、対象地区と運行日を確認します。
13地区を細かすぎる一覧にせず、「粕渕・浜原へ出る」「都賀本郷へ出る」「町外へ直接つなぐ」に畳むと、生活の向きが見えます。ただし防災では地区単位へ戻します。
地区カードは表裏で使います。表に平日の乗車地点、用事を閉じる結節、帰便を書き、裏に同じ岸の避難先、渡らない橋、土砂時に使わない谷道を書く。暮らしでは三つの向きへ畳み、防災では13地区へ戻す理由が一枚で分かります。
13地区は、バス停と橋と斜面を候補住所へ結びつけるための実用的な単位です。
五方向を一日に重ねない
川本、邑南、飯南、三次、江津・大田方向を往復で選びます。
現行案内には、川本、邑南、飯南、広島県三次、江津・大田側へつながる交通があります。方向が多いことを、いつでも自由に行き来できるという意味に置き換えません。
町外の日は一方向だけを選び、自宅地区の出発、乗継、目的地で過ごせる時間、帰りの最終接続を一列に書きます。帰便が成立しなければ別方向へ回らず、その日の予定を縮めます。
五方向の選択欄には「受診」「行政」「鉄道接続」「家族の用事」「延期可能」の印を一つだけ付けます。必要性が二つ重なった方向をその日の行先とし、他の方向は別日に送る。目的のない最短時間比較を避け、生活上の理由から行先を決められます。
車で試す日も同じです。最短時間だけでなく、冬期や大雨後、給油、家族が車を使う日を分けます。町外五方向を同日に比較するのではなく、曜日別に一方向ずつ走ります。
町外へ行けることより、13地区の自宅側へ同じ日に戻れることを先に確かめます。
江の川の同じ岸で待つ
氾濫原と急斜面にある集落で、橋を渡らない退避を作ります。