中川村には鉄道駅がありません。けれども、村の公共交通は鉄道と切り離されているのではなく、飯島町や松川町の駅へ越境してつながります。どの駅を使うかは、天竜川の東西、利用する橋、朝夕と日中の交通で変わります。
村は1958年、天竜川東岸の南向村と西岸の片桐村が合併して生まれました。現在も小学校は両岸に一校ずつあります。駅の有無だけでなく、旧二村、川、学校、村外駅の四層から暮らしを読みます。
天竜川の東西に旧二村を置く
行政上は一村でも、川の両岸では駅・学校・坂の条件が異なります。
東岸の南向側には大草や葛島があり、役場は大草に置かれています。西岸の片桐側には片桐、牧ヶ原などが広がります。天竜川は景観の中心であると同時に、駅へ向かう側、学校、日常的に渡る橋を分ける生活上の境目です。
候補住所を見たら、東岸か西岸かを確かめ、毎週の用事を同じ岸と対岸に分けます。役場、学校、買物、通院、村外駅へ行くたびに使う橋を記録します。地図で近く見える施設も、川を渡って戻ると実際の往復は長くなります。
南向側は山地と谷が多く、平面距離だけでは坂を読み取れません。片桐側も段丘面と低地を同じ条件にせず、家から橋・停留所へ出る勾配を歩きます。
中川村の東西は、天竜川を何回渡るかで一日の長さが変わります。
駅のない村を複数の村外駅へ開く
最寄駅を一つ決めず、用事と時刻から村外の出口を選びます。
村内駅がないからこそ、最寄駅を一つに固定しません。公式の交通計画は飯田線を地域間幹線とし、村営交通を飯島駅や伊那大島駅へ接続します。現行の予約交通には、飯島駅、七久保駅、伊那大島駅など村外の乗降地点があります。
北方面の通勤なら飯島・七久保側、南方面の通院や通学なら伊那大島側というように、目的地ごとに駅を並べます。候補住所から駅までの乗車時間だけでなく、列車到着後の待ち時間と、帰りに接続できる便を記録します。
家族送迎で駅へ行ける日にも、帰着時刻がずれた場合を試します。駅に待機場所があるか、予約変更はいつまで可能か、タクシーを呼べるか。村外駅に降りた後、村へ戻る最後の区間までが中川村の鉄道利用です。
伊那大島駅を選ぶ通院日は、駅だけでなく下伊那赤十字病院までを一本の予定にします。診療が延びた時にチョイソコの予約を変更できるか、駅へ戻る便と次の飯田線がつながるかを先に確認します。
村内駅なしは不在ではなく、複数の村外駅を用事別に選ぶ交通構造です。
朝夕の固定便と日中の予約便を分ける
のっチャオとチョイソコなかがわを、時間帯と利用条件で使い分けます。
「のっチャオ」は、朝夕の高校通学などを支え、村内の大草、牧ヶ原、片桐、チャオ周辺を共通エリアとして村外駅へつなぎます。一方、「チョイソコなかがわ」は会員登録と予約が必要な乗合交通で、平日日中の通院・買物・駅接続を担います。
二つは同じ車が終日往復する仕組みではありません。朝は固定時刻で駅へ出て、日中は予約便で用事を済ませ、夕方は固定便または予約条件に合う便で戻るというように、片道ごとにサービス名を書きます。
チョイソコの自宅停留所は、65歳以上や障害のある人、運転免許返納者など対象条件があります。一般利用者が自宅前から無条件で乗れるとは限りません。登録時に利用区分、指定停留所、村外乗降地点、予約期限を確認します。
会員証は申込み後すぐ発行されるとは限らず、公式案内では到着まで1〜2週間ほどです。転入直後から使うなら、転入前に申込めるかを村へ聞き、届くまでの送迎・タクシーを準備します。電話予約は2週間前、インターネット予約は1週間前からという受付窓の違いも予定表に書きます。
一般の現金運賃は村内500円、村外1000円が一乗車の目安で、対象者には減額区分があります。家族人数、週の往復回数、村内外の区分を掛けて月額を出し、定期券の対象になるかを窓口で確認します。料金の高低ではなく、家族送迎を何回置き換えられるかと比べます。
診療が延びる日は、帰便を後ろへ変更できる期限を先に聞きます。時刻どおり終わる前提だけで通院表を作らず、一本遅れた時に村へ戻れる駅と連絡先を残します。
朝夕の固定便と平日日中の予約便は、利用条件まで分けて一日の表にします。