本巣市は東西17km、南北43km。南の濃尾平野から北の根尾まで、樽見鉄道が長く縦断します。市内に13駅あるから全域が同じ鉄道生活圏だと考えると、駅の役割と駅から先の道を見誤ります。
2004年に本巣町、真正町、糸貫町、根尾村が合併しました。南部の商業・行政、谷口の乗換、北部の支谷と集落を四地域へ戻し、根尾川を上るほど変わる暮らしを読みます。
南北四十三キロを、十三駅の一沿線にしない
南部平野から根尾の山間まで、地形の変化を先に読みます。
樽見鉄道の市内駅は北方真桑、モレラ岐阜、糸貫、本巣、織部、木知原、神海、高科、鍋原、日当、高尾、水鳥、樽見です。駅は連続していても、南部と根尾では周辺の土地利用も列車後の移動も違います。
真正・糸貫では平野の道路と商業、本巣では谷口と鉄道の結節、根尾では駅から支谷・集落までの道を見ます。駅間の長さだけでなく、用事を終えた後の列車と、駅から玄関までの夜道を一行程にします。
候補住所を13駅へ機械的に割り当てず、勤務・通学・受診先へ向かう方向を先に決めます。南へ大垣方面へ出る日と、地域内で用事を済ませる日を一週間で比べます。
十三駅は、南部平野から根尾の谷まで同じ条件で並ぶ駅ではありません。
真正・糸貫・本巣・根尾で駅の役割が変わる
合併四地域の生活拠点と鉄道駅を対応させます。
真正地域では南部の道路・商業と北方真桑駅側、糸貫ではモレラ岐阜駅・糸貫駅と本庁舎周辺、本巣地域では本巣駅・織部駅と谷口、根尾では樽見駅までの鉄道と集落を見ます。
モレラ岐阜駅は買い物目的の目印にもなりますが、生活のすべてが一施設で完結するわけではありません。本巣駅は有人駅で北部交通の節、樽見駅は路線終端です。駅の大きさではなく、乗換と用事の役割で分けます。
市営バスは本巣・糸貫・真正地域と根尾地域で案内が分かれます。四地域を一つの循環バスとして扱わず、候補住所に対応する路線と帰宅便を開きます。
真正では商業施設へ寄る道路と北方真桑駅側への道、糸貫ではモレラ岐阜駅・糸貫駅と本庁舎へ向かう道を分けます。両地域は平坦に連続して見えても、毎日越える幹線道路や水路、選ぶ駅が同じとは限りません。本巣駅では、列車から北部線へ乗り継ぐ日と、駅周辺で待って家族送迎へ切り替える日を作ります。
北方真桑と谷汲口で、市境を読み直す
駅名と所在地がずれる二地点から行政界を確かめます。
北方真桑駅は駅名に「北方」を含みますが、所在地は本巣市上真桑です。反対に、樽見鉄道の途中にある谷汲口駅は揖斐川町内です。連続した路線図だけでは行政界が分かりません。
駅周辺で行政サービス、防災情報、学校区を調べる時は、駅名ではなく住所を確認します。北方町に近い生活圏であっても市の手続は本巣市、谷汲口駅周辺の災害情報は揖斐川町側を含みます。
北方真桑は本巣市、谷汲口は揖斐川町。駅名と所在地を必ず分けます。
鉄道の先に市営バスと支谷の道を足す
ホーム到着で終わらない帰宅行程を組みます。
根尾では鉄道駅があっても、すべての集落がホームの近くに並ぶわけではありません。駅から市営バスや道路へつなぎ、支谷へ入る最後の区間まで確認します。
朝の列車に間に合う市営バスが、夜の帰宅列車にも接続するとは限りません。予約や運行日がある交通は、受付締切と利用区域を分けます。一本外れた時に駅で待つのか、谷口で待つのかも決めます。
木知原・神海・高科・鍋原より北では、駅名だけで最寄りを決めず、支谷から国道157号へ出る道をたどります。日当・高尾・水鳥・樽見側では、一便遅れた時刻、降雪時の徒歩、通信が切れた場合の連絡先を紙にも残します。列車が動いていても玄関までの道が使えなければ帰宅は完了しません。
国道157号は南北の骨格ですが、通行規制時の代替が同じ谷筋に戻る区間があります。車を使う日も、燃料、通信、冬の装備と待機先を行程へ足します。
根尾では駅到着を終点にせず、支谷の玄関までを一つの帰宅にします。
根尾川を下るほど災害の見方を切り替える
北部の土砂・孤立から南部の洪水・内水へ重点を変えます。
北部山地では土砂災害、落石、道路孤立、冬の通行条件を重く見ます。南へ下ると根尾川や支流の洪水、平野部の内水、橋と水路の確認が増えます。一つの市全図で重点を固定しません。
市のハザードマップは根尾北部など地域別に分かれています。候補住所の図面名を選び、駅、停留所、学校、病院への道へ危険箇所を重ねます。
水鳥周辺の根尾谷断層は歴史的な地震の記憶ですが、現在の備えは建物、斜面、橋、通信、家族の待機先へ落とします。地形の知識を見学情報で終わらせません。
根尾川を下るほど、土砂と孤立から洪水・内水へ確認の重心を移します。