牧之原市の地図に最寄り駅を書こうとすると、最初の点が市外に置かれます。市内に鉄道駅がないからです。けれど、駅がないことと中心がないことは同じではありません。市の計画には榛原、相良、牧之原、地頭方という四つの拠点が示されています。
現在の市は2005年に相良町と榛原町が合併して生まれました。海岸の二市街地と牧之原台地、南端の地頭方を一つの郊外にまとめず、まず日常の用事を置く場所から読みます。
駅がないから四つの拠点を先に置く
最寄りの町外駅より前に、日常の用事を済ませる四つの場所を地図へ置きます。
榛原では静波・細江周辺、相良では波津周辺に市街地のまとまりがあります。牧之原は台地上、地頭方は南部海岸側のまとまりです。四拠点は同じ大きさではなく、同じ用事がそろうわけでもありません。
候補住所から最初に調べるのは町外駅までの距離ではなく、食料、診療、行政、学校の四項目です。どの拠点で二つ以上を結べるかを記録し、鉄道を使う日だけ外部への線を足します。
四拠点には一日カードを一枚ずつ作ります。午前九時に着ける用事、正午までに徒歩で結べる用事、午後四時に候補住所へ戻る方法の三段だけを書きます。施設数を競わせるのではなく、用事が二つ続いた日の帰宅まで成立する拠点を見つけるカードです。
富士山静岡空港や東名相良牧之原ICが市域に近いことは広域移動の条件です。一方、通学や通院の帰りに車を使えない日を支えるのは、路線バスと地区交通、徒歩で届く用事です。二つを同じ便利さとして数えません。
外部駅は一つに決めず、通勤、通院、遠方への乗換で候補を分けます。行きの所要だけでなく、帰宅が一時間遅れたときに市内へ戻れるかまで時刻表をつなぎます。
出口比較は、玄関から最初の停留所、乗換回数、雨天の待ち場所、最終接続、一本逃した後の迎え地点の五項目に限定します。駅までの数字が短くても、最後の二項目が成立しなければ日常の入口にはしません。
駅のない市では、鉄道入口より先に四つの日常拠点を地図へ置きます。
榛原と相良は一つの海岸市街ではない
二つの旧町、二つの庁舎、市街地の用事を別々の一日として歩きます。
榛原庁舎は静波、相良庁舎は相良にあります。合併後も二つの旧町の中心は、行政窓口、市街地、通る道路の違いとして残っています。
榛原側では庁舎、買い物、医療、路線バスの停留所を徒歩と自転車で一周します。相良側でも同じ項目を歩き、どちらか一方を市全体の中心と決めません。
細江や静波から相良へ向かう日、波津や須々木から榛原へ向かう日は、用事そのものより旧町間の往復が長くなることがあります。手続きと買い物を同じ側で束ねられるかを確かめます。
二庁舎に別々の用事がある日は、先に受付終了時刻を並べ、遅い方へ向かうのではなく帰宅側から順番を決めます。一日で両方を回るより、榛原の日と相良の日を分けた方が台地や海岸を越える回数が減ることもあります。
家族の勤務先と学校が旧二町に分かれるなら、朝の送迎より夕方の合流場所を先に決めます。片方の庁舎前へ全員を集めるのではなく、それぞれの市街地で待てる場所を持ちます。
榛原と相良は海岸沿いに並んでも、用事を済ませる二つの中心です。
牧之原台地を一日に何度下りるか
坂部・勝間田・牧之原では、距離より台地と海岸低地の往復が生活時間になります。
坂部、勝間田、牧之原地区では、海岸低地との高低差が日常の移動に入ります。地図の直線距離が短くても、買い物、通院、送迎のたびに台地を上り下りすれば、一日の負担は増えます。
候補住所からよく使う市街地まで走り、坂を越えた回数、暗い区間、雨の日に見通しが落ちる場所を記録します。朝だけでなく、買い物を積んだ夕方にも同じ道を試します。
台地上で済む用事と、榛原・相良へ下りる用事を分けます。毎日低地へ往復する前提ではなく、診療日、買い物日、外部駅へ出る日をまとめられるかを一週間で見ます。
空港やICへ近い住所でも、家族の誰かが車を使う日に残る人の移動は別問題です。徒歩で届く停留所、地区交通の曜日、迎えを頼める地点を一枚に書きます。
台地では距離より、一日に低地へ下りて戻る回数が生活時間になります。
予約交通を使える曜日から生活を組む
地区別の対象条件と行先を確認し、車を使えない日の帰りを先に決めます。
牧之原市のデマンド乗合タクシー・バスは、市内全域を地区別に支えます。ただし、75歳以上や免許を持たない人などの利用対象、会員登録、地区ごとの運行曜日、指定された目的地があります。
坂部、勝間田・牧之原、菅山・萩間、静波・川崎・細江、相良周辺、地頭方で名称と運行条件が違います。市内全域という言葉だけで、誰でも好きな時刻に戸口から目的地へ行けると考えません。
利用条件に当てはまる場合は、通院先、買い物先、路線バス停のどこへ運んでもらえるかを地区別チラシで確認します。予約締切と帰りの便を先に記入し、診察が延びた場合の待機先も決めます。
対象条件に当てはまらない、予約が取れない、指定目的地の外だった場合を同じ欄へ書きます。次に路線バス、家族送迎、用事の延期を並べ、最初からデマンド交通だけで一週間を完成させません。
条件に当てはまらない家族は、路線バス、自転車、送迎を別の色で書きます。一つの交通制度で家族全員の移動を埋めず、曜日ごとに使える手段を組み合わせます。
予約交通は市内全域という範囲より、対象者・曜日・目的地から読みます。
海から離れる線と台地へ上がる線を分ける
津波、河川浸水、斜面を重ね、家族が一か所へ集まらない待機線をつくります。
静波、相良、片浜、地頭方など沿岸部では津波を確認します。勝間田川や萩間川など河川沿いの低地では洪水、台地の縁や谷口では土砂災害を重ねます。
海から台地へ向かえば常に安全とは限りません。上る道が河川を渡るか、斜面の下を通るかを見て、津波から離れる最初の道と、その後に待つ場所を分けます。
自宅、学校、二庁舎、通院先、よく使う停留所を地図へ置きます。昼に家族が榛原、相良、台地へ分かれている場合は、一度どちらかの庁舎へ集まらず、地区ごとの情報を確認します。
家族の連絡票は、榛原沿岸なら海から離れた現在地、相良・地頭方なら地区の上り口、台地側なら斜面・河川を横切らない待機先を最初の一行にします。合流時刻は道路と河川の情報が確認できるまで書かず、移動を急がせない票にします。
市の避難計画は沿岸部と山間部を地区別に示しています。候補住所の地区名を照合し、夜間に歩ける最初の区間まで現地で確かめます。
海から離れる矢印と、川・斜面を避ける矢印を同じ一本にしません。