川根本町の交通を、かつての大井川鐵道大井川本線の時刻表から考え始めてはいけません。町の公式案内では、現在、町内の大井川本線は不通です。復旧への期待と、今日使える交通は分けます。日常は町営バス、条件のある予約交通「おでかけ号」、千頭より北へ伸びる井川線などを、住所ごとに組み直す必要があります。
町は2005年に中川根町と本川根町が合併して生まれました。上長尾の本庁舎側と千頭の支所側は、合併後も別の用事場として読めます。大井川の一本線に見える町を、二つの町場と左右岸、支谷へ開きます。
大井川本線が使えない現在地から始める
復旧後を先取りせず、いま利用できる町営バス・予約交通・井川線を一枚にします。
まず候補住所から使える交通だけを書きます。千頭と家山方面を結ぶ町営バス、千頭と寸又峡を結ぶ町営バス、井川線、対象と予約条件のあるおでかけ号です。大井川本線の過去の駅や時刻を、現在利用できる交通として予定へ入れません。
一日カードは、運行日、乗る場所、目的地、帰りの便、運休時に待てる場所の五列です。朝に出られても帰りが成立しない便は、通院や買い物の日常線から外します。観光用の案内と住民の生活交通も、利用条件を確認して分けます。
復旧情報は公式発表が出るたびに確認しますが、未確定の時期を暮らしの前提にしません。候補住所の判断は、確認日の現行交通で行います。
出発日の確認は、町の運行案内、各交通事業者の運行情報、停留所・駅の当日掲示の順に行い、確認時刻をカードへ書きます。一つでも運休・区間変更があれば往路だけで判断せず、同じ日の復路を組み直してから出ます。
以前走っていた線ではなく、今日往復できる交通だけで一日を組みます。
千頭と上長尾を一つの中心にしない
旧本川根町と旧中川根町の二つの町場へ戻し、行政と日常用事の折り返し先を分けます。
千頭には鉄道・バスの結節と南側の用事があり、上長尾には町役場本庁舎があります。二つを「町中心」とひとまとめにせず、食料、診療、行政、学校のどれをどちらで済ませるかを分けます。
候補住所から千頭と上長尾へ、同じ平日の午前に往復します。停留所までの坂、乗換、橋、用事を終えて戻れる時刻を記録します。一日に両方を回らず、一つの町場で折り返せる用事の組み合わせを探します。
共通条件は、9時に候補住所を出て、行政か支所の用事、日用品、学校・診療の位置確認を一つずつ行い、16時までに戻る設定です。千頭用と上長尾用の二枚に同じ欄を設け、どちらが上かではなく、一つの町場だけで終えられなかった用事を残します。
旧中川根・旧本川根という成り立ちは、現在の生活を二分する絶対線ではありません。ただ、二つの町場と学校区、支所・本庁舎の位置を確かめる骨格になります。現行の施設と交通は必ず最新資料へ戻します。
千頭と上長尾は同じ中心の二つの名前ではなく、用事を折り返す二つの場所です。
おでかけ号は利用条件まで読む
名称だけで町内全域の自由なタクシーと思わず、対象者・公共施設・予約条件を確かめます。
おでかけ号は、一般の流しのタクシーと同じではありません。町の案内で、利用できる人、予約方法、運行日時、乗降できる公共施設などを確認します。少なくとも片側が指定された公共的な場所であるなど、移動には条件があります。
候補住所から通院、買い物、行政の三つを試し、往路と復路を別々に予約できるか確かめます。町営バスと接続させる日は、遅れを吸収する待ち時間も入れます。予約が取れない場合は、家族送迎を当然の代替にせず、用事の変更や町場での待機を決めます。
利用資格が住民に限られる制度は、転居前の見学で同じように使えるとは限りません。見学時の移動と、居住後の登録済み移動を二枚のカードに分けます。
カードには「対象外」「予約不可」「指定施設から先へ行けない」の三つの空欄を先に置きます。対象外なら町営バス、予約不可なら用事の延期、公共施設から自宅まで戻れないなら家族迎えではなく確認済みの乗継へ戻します。三つとも埋まらない日は、その用事を自力で閉じられない日として残します。
予約交通は「あるか」ではなく、自分の住所と用事が利用条件の中に入るかを読みます。
橋を渡る回数で一日の長さを測る
直線距離では消える左右岸と支谷を、用事のたびに渡る橋と待機先から読みます。
川根本町は町域の約97%が森林で、標高差は2,400メートルを超えます。大井川沿いの集落も、川の同じ側に連続しているとは限りません。地図の距離へ、橋、段丘へ上る坂、支谷へ入る道を足します。
自宅から停留所、学校、町場まで、往復で何本の橋を渡るか数えます。橋の前後で道路が狭くなる場所、雨量規制や工事情報をどこで得るか、渡れないときに現在の岸で待てる場所を確認します。
車を使う日も、橋を渡る回数は消しません。通院と買い物を同じ岸・同じ町場で束ね、不要な往復を減らします。井川線を使う住所では、駅までの高低差と帰りの運行を歩いて確かめます。
週間表は左岸と右岸を二列にし、用事名の横へ渡る橋を書きます。同じ日に左右岸を二度以上往復するなら、片側の用事を別日に移すか、一つの町場で束ねます。橋名が分からない線は、生活経路として完成していないものとして現地で確かめ直します。
山間の距離はキロ数ではなく、橋と坂を何度越えて戻るかで測ります。
洪水と土砂で川沿いの動きを反転させる
大井川から離れる線と山腹・谷口から離れる線を分け、別地区へ急いで集まりません。
大井川沿いでは洪水を、支谷や山腹では土砂災害を確認します。川から離れて斜面側へ上ることが、土砂から安全な方向とは限りません。候補住所ごとに町のハザードマップを開き、二つの災害を別に見ます。
家族のカードには、自宅側の川岸、普段使う橋、最寄りの公式避難先、橋を渡らず待てる場所を書きます。雨が強いときに別の町場へ車で集まる予定は作らず、道路・河川情報が確認できるまで現在の地区で待つ条件を決めます。
斜面に近い住所では、夜間に初めて移動する計画を避け、明るいうちに判断する基準を町の情報と照合します。通信が不安定な場所では、紙の地図と連絡が取れない場合の時間基準も持ちます。
紙の連絡票は川沿い用と支谷用に分けます。川沿い用は現在の岸と渡らない橋、支谷用は谷口・斜面から離れて待つ場所を先頭に書きます。通信が切れたら30分ごとに同じ時刻でラジオや町の防災情報を確認し、情報がないことを移動開始の合図にはしません。
大井川から離れる線と、支谷の斜面から離れる線は同じ矢印では描けません。