函南町の鉄道入口は、町名を冠するJR函南駅だけではありません。町内には伊豆箱根鉄道の伊豆仁田駅があり、町の地域公共交通計画は町外の大場駅も生活圏の入口として扱います。三駅は同じ駅前ではなく、候補住所によって坂、路線、帰る向きが変わります。
西の平地から柏谷・平井、畑毛を経て、東側の丹那盆地へ。東西の段差を地図へ戻すと、駅までの数字だけでは分からない生活線が見えてきます。
函南駅だけを町の入口にしない
JRと伊豆箱根鉄道、町外の大場駅を、駅名ではなく住所と目的地から選びます。
JR函南駅は町の東寄りにあります。伊豆仁田駅は西側の平地にあり、大場駅は町外の三島市側です。東京・熱海方面、三島方面、伊豆長岡方面では使う路線も乗換も違います。
候補住所から三駅までを同じ方法で測ります。玄関から乗車まで、雨天の待機、乗換回数、帰宅最終接続、一本逃した後の待ち場所を並べます。駅名が自治体名と同じだから主駅と決めません。
大場駅は町外です。徒歩やバス、自転車で行政界を越える住所があるため、地図上の町境で生活線を切らず、実際の入口として確認します。
三駅の一日カードは目的地別に三枚作ります。三島方面の日は大場・函南からの乗換、熱海方面の日は函南駅への上りと帰り、伊豆長岡方面の日は伊豆仁田駅までの接続を書きます。同じ住所でも目的地が変われば入口を変えられるようにし、万能の一駅を選びません。
最後に帰宅が三十分、六十分遅れた欄を足します。列車に乗れても接続するバスが終わるなら、その入口は遅い日の候補から外します。迎えを使う場合も駅前で待てる場所と車が安全に寄れる場所を現地で分けます。
函南町の鉄道は、町内二駅と町外一駅の三つの入口から選びます。
西の平地と東の盆地を同じ一日にしない
田方平野から台地縁、畑毛、丹那へ上がる移動を一週間へ分けます。
仁田・間宮など西側は田方平野に近く、幹線道路と伊豆仁田駅を使う動きがあります。柏谷・平井は台地縁、畑毛は東側の谷口、丹那・畑・軽井沢はさらに標高のある盆地・山間です。
買い物、通院、送迎を一日に何度も東西往復させると、距離以上に坂と道路時間が積み上がります。平地で済む用事の日、東側地区へ戻る日を分けます。
農業振興地域整備計画が示す地区名も、町内の地形と土地利用を読む手掛かりです。ただし農業区分をそのまま生活圏とせず、現行の学校区、交通、施設を住所から確認します。
東西往復は週間表の縦軸にします。平地で済む日はゼロ、台地縁まで一往復、畑毛・丹那側から平地へ下りて戻る日は二本の矢印を引きます。通院と買い物を別日にせず、矢印を減らせる組み合わせを探します。所要時間の合計より、帰宅時に最後の坂を何回上るかを残します。
西の平地と東の盆地は、同じ近さではなく別の一日として組みます。
駅名より住所から坂を逆算する
行きの下りではなく、荷物を持って玄関へ戻る上りを基準に測ります。
函南駅へ向かう道は、候補住所によって上り下りが変わります。朝に駅へ下れる住所でも、夕方は荷物を持って上ることがあります。徒歩分数へ勾配、階段、照明を足します。
柏谷・平井では伊豆仁田、函南、大場のどれへ出るかを一つに固定しません。通勤先、通院先、雨天、帰宅時刻ごとに入口を選びます。
現地では朝と夕方に同じ道を歩き、自転車を押す区間、車がすれ違いにくい区間、バス停から玄関まで暗くなる区間を記録します。
坂の記録は「きつい」「楽」で終えません。雨の日に傘を差して歩ける幅、荷物を置ける場所、休まず上れる区間、夜に車から見える位置を記号にします。高齢者や子どもと同じ経路を使う世帯は、最も歩幅の小さい人の時間で帰宅を組みます。
駅徒歩は行きの下りではなく、帰りの上りから測り直します。
三つの入口ごとに帰りの用事を束ねる
駅へ向かう日に買い物や通院を重ね、接続を失った場合も用意します。
鉄道を使う日は、駅へ向かう途中で買い物、通院、行政のどれを結べるかを調べます。三駅それぞれに一日カードを作り、帰りの列車・バスから終了時刻を逆算します。
路線バスは見直しや再編で条件が変わります。古い停留所名や過去の実証運行を現行便として使わず、町と事業者の最新時刻を確認します。
確認票には、資料名だけでなく確認日を入れます。廃止・変更のお知らせ、現行時刻表、停留所の掲示の三つが一致しない場合は、その便を予定へ入れません。古い資料に残る運行を「以前使えた線」として欄外へ分け、現在の帰宅線と混ぜないためです。
接続を失った場合は、別の駅へ徒歩で横断するのではなく、駅側で待つ、次便へ切り替える、明るい迎え地点を使う順にします。
三駅間の切替にも上限を決めます。次駅へ向かう交通が公式時刻で確認でき、到着後の最終接続まで余裕がある場合だけ切り替えます。条件が一つでも欠ければ元の駅で待ち、地図上の近さを頼りに夜の坂を横断しません。
三駅の比較は最短時間ではなく、用事を終えて帰れる一日で行います。
低地の水と斜面の土を別の図で読む
狩野川水系の低地と東側の斜面で、離れる方向を一つにしません。
西側低地では狩野川水系の洪水、東側の斜面や谷口では土砂災害を確認します。低地から高い方へ動くことが、斜面から離れる動きと一致するとは限りません。
自宅、駅、学校、通院先、よく使う橋を最新ハザードマップへ置きます。浸水時に使わない道と、斜面の異常時に使わない道を別の色で描きます。
低地用の紙には水位情報を確認する時刻と渡らない橋、斜面用の紙には崖や谷口を避ける最初の曲がり角を書きます。一枚へ重ねた後も二色を混ぜず、どちらの危険で使わない道なのか家族が読み上げられるか確かめます。
家族が平地と東側に分かれる昼間は、一か所へ集まりません。それぞれ現在地に近い公式避難先で情報を確認し、道路と河川の状況が分かってから合流を判断します。
低地の水から離れる線と、斜面の土から離れる線を一本にしません。