北方町の面積は5.17平方キロメートルです。東西は約1.85キロ、南北は約4.2キロ。地図では歩いて回れそうに見えますが、町内に鉄道駅はなく、日常の広域移動は北方バスターミナルと複数のバス路線から始まります。
小ささをそのまま便利さへ置き換えず、南北のどこに住み、岐阜駅方面と穂積駅方面のどちらへ出るかを決めます。さらに、旧村と区画整理の履歴を持つ四地域、南北に流れる河川を重ねます。
小さな町を、一つの徒歩圏にしない
東西と南北の長さを、実際に歩く道路と川で測ります。
東西約1.85キロという数字だけなら、町を横断できそうに見えます。しかし南北は約4.2キロあり、北端と南端では近い停留所、町外駅、隣接市町の施設が変わります。直線距離ではなく、歩道、交差点、川を越える橋をたどります。
候補住所から北方バスターミナル、学校、買い物先、町役場へ歩きます。昼だけでなく、朝の通勤時間、雨の日、夜の帰宅も試します。町外の施設が近い住所では、行政界を越える近さと北方町の制度・学区を分けます。
コンパクトな町でも、家族全員の目的地が同じ方向とは限りません。一人は岐阜、一人は穂積、子どもは町内という一日を置き、送迎が重なる時間を確かめます。
小さい町であることと、町全体が一つの徒歩圏であることは同じではありません。
四地域を区画整理と旧村で読み分ける
編入地区と市街地形成の違いを、今の街区へつなげます。
都市計画では、柴原、加茂・北方、北方・柱本、高屋・柱本という四つの地域で将来像が整理されています。北方の旧来市街地だけでなく、編入された地区や区画整理で形成された住宅地を分けて見ます。
1955年には旧生津村の柱本・高屋、1956年には旧席田村の加茂・芝原が北方町へ加わりました。現在の道路や街区に差がある背景として確認し、歴史名の紹介だけで終わらせません。
北側の柴原・加茂、中心の北方、南側の柱本・高屋では、近い町外施設とバスの方向が変わります。候補住所の道路が旧来の細い道か、区画整理された街区かを歩き、朝夕の車と自転車の通り方を見ます。
四地域は、街区がいつ・どちらへ開かれたかを読むための実用的な区分です。
北方バスターミナルから二つの駅方向へ出る
岐阜駅側と穂積駅側を、目的地と帰宅時刻から選びます。
北方町内に鉄道駅はありません。JR岐阜駅・名鉄岐阜駅方面へ向かう路線と、JR穂積駅方面へ向かう路線を、目的地から選びます。近隣の樽見鉄道駅も候補になり得ますが、町内駅として数えません。
北方バスターミナルへ歩く時間、乗換の待ち時間、駅の改札までを一組にします。高屋など南側では穂積方向、北側では本巣側を含む経路が候補になりやすいものの、住所だけで決めず現行時刻を確認します。
行きは自宅近くの停留所から直接乗り、帰りは便の選択肢を増やすためバスターミナルで乗り換える一日もあります。その場合は接続時間だけでなく、雨天時の待合、自転車を残した場所、ターミナルから最後に歩く距離まで記録します。
朝に乗れる便だけでなく、一便遅れた帰宅を試します。バスターミナルに着いてから自宅までの夜道、自転車の保管、雨を避けて待てる場所も生活時間です。
岐阜駅方向と穂積駅方向は、近さではなく毎日の目的地で選びます。
六路線を本数ではなく帰宅先で選ぶ
路線名の多さより、候補住所へ戻れる便を確かめます。
町が案内する岐阜バスは、新生大縄場線、大野忠節線、モレラ忠節線、北方河渡線、大野穂積線、高専線の六路線です。路線数が多いことを、どの停留所でも同じ頻度で乗れることへ読み替えません。
候補住所に近い停留所がどの路線に属し、どの駅や地域へ向かうかを確認します。往路は中心部の停留所から選べても、復路が別の停留所に着く場合や、時間帯で利用できる便が変わる場合があります。
平日の通勤、学校の帰宅、休日の買い物を別々に組みます。運行改定に備え、路線名を覚えるだけでなく、利用時点の町と事業者の案内へ戻ります。
南北の河川と広域洪水から避難線を引く
町境を越える水の想定と、普段使う橋を重ねます。
町内には天王川、糸貫川、長谷川などが南北に流れます。洪水ハザードでは町内河川だけでなく、長良川、揖斐川、根尾川など広域河川の想定も確認します。町境から遠いように見える川でも、浸水想定は行政界で止まりません。
自宅、バスターミナル、停留所、学校、普段使う橋、指定避難所を地図へ置きます。バスが動いていても、停留所までの道路が冠水すれば使えません。早い段階で移動する場合と、自宅の上階などで待つ場合を分けます。
家族が岐阜側と穂積側へ分かれている昼間は、全員が町へ戻る計画を置きません。それぞれが川を越えず待てる場所と連絡方法を決めます。
洪水は町の小ささで考えず、町境を越えて続く河川系として確認します。