河津町の鉄道駅は河津駅と今井浜海岸駅です。二駅はいずれも海に近い川下側にあります。一方、町域は河津川に沿って天城山系へ上り、湯ケ野、梨本、川津筏場などの集落が谷の奥へ続きます。
町は1958年に上河津村と下河津村が合併して生まれました。現在の住所を旧二村へ戻し、さらに川下、谷中、川上の三段に分けると、二駅だけでは見えない帰宅線を描けます。
二駅から一本の川を上流へ読む
海岸の鉄道、河津川、国道414号を重ね、川下・谷中・川上の三段をつくります。
今井浜海岸駅は見高側、河津駅は浜にあります。伊豆急行線と国道135号は海岸方向を結び、国道414号は河津駅付近から河津川を上流へたどります。鉄道の横線と川の縦線が切り替わる場所が河津駅です。
候補住所から河津駅までを一つの距離にせず、最寄りの橋、国道414号へ出る道、バス停を順に書きます。河津駅まで近くても川の対岸なら、毎日の橋渡りが加わります。
橋の台帳には、朝の通勤、昼の行政、夕方の買い物で渡った回数と、雨の日に避けたい歩道を記録します。一日四回渡る住所と、同じ岸で二つの用事を結べる住所では、駅距離が近くても生活時間が変わります。
今井浜海岸駅を使う住所では、河津駅で済ませる用事と、伊東方面への列車利用を分けます。駅が一つ隣でも、海岸の坂や国道横断を徒歩で埋める前提にしません。
河津川の流域に開く平地は町全体では限られます。川から離れると斜面が近くなるため、地図の半径ではなく谷に沿う方向で生活圏を描きます。
河津町は二駅の周辺ではなく、二駅から一本の川を上る町です。
旧下河津九村を駅前一帯にまとめない
見高・浜・田中・峰・逆川などを、二駅と行政・地域交通の用事から分けます。
旧下河津村は見高、浜、谷津、笹原、田中、沢田、峰、逆川、縄地の九村からできました。同じ旧村内でも、今井浜海岸駅側、河津駅・河口側、田中・峰・逆川の谷中では用事の向きが違います。
町役場は田中にあり、町営バス逆川線は河津駅から逆川まで11停留所を結びます。鉄道駅だけを中心にすると、行政と谷中の地域交通が抜けます。
旧九村は、見高・浜の二駅側、田中・笹原・峰の谷中、逆川・縄地など支線側の三群に仮置きします。これは新しい行政区分ではなく、候補住所から鉄道、役場、地域交通へ伸びる線を見落とさないための現地メモです。
現地では河津駅、役場、日用品の店、候補住所を一周します。歩く橋、道路の勾配、帰りのバスを記録し、駅前で用事が終わると仮定しません。
花の時期など人が集中する日の交通は、通常日の通勤・通院と分けます。平日の同じ時間を別の季節にも確かめ、日常の所要と臨時の混雑を混ぜません。
通常日の基準は、平日朝と平日夕方の二回で取ります。催事期にもう一度同じ経路を測り、増えた時間は住所の恒常的な弱点ではなく、時期を避ける予定として別欄へ移します。
旧下河津は駅前一帯ではなく、海岸二駅と田中・逆川へ分かれます。
旧上河津六村では帰りのバスを先に置く
湯ケ野から梨本まで、駅行きより用事が延びた後の復路を確かめます。
旧上河津村は湯ケ野、下佐ケ野、川津筏場、大鍋、小鍋、梨本の六村から成立しました。いずれも鉄道駅のある川下から国道414号や支線を上る側です。
上流では朝の駅行きより、診療や買い物が三十分延びた後に帰れるかを調べます。最終便を逃したとき、河津駅で待つのか、田中周辺で用事を切り上げるのか、迎えを頼む地点を決めます。
接続失敗カードには、河津駅を出ない、田中で待つ、家族が上流から下り過ぎないという三つの選択肢を置きます。迎えは最短距離ではなく、転回できて明るい公式施設・停留所までにし、谷道を双方から探し回らないようにします。
停留所までの徒歩は、川沿いの平地だけで終わらない場合があります。買い物袋を持った夕方、雨の日、暗くなった時間に、斜面と路肩を安全な範囲で確認します。
川上側にある用事を把握し、毎回河津駅へ下らない半日をつくります。駅のない地域を不便の一語で閉じず、日常が地区内でどこまで結べるかを調べます。
上河津では駅へ向かう朝より、谷へ戻る夕方の一本が判断軸です。
川下・谷中・川上で用事を束ねる
鉄道利用日、田中周辺の日、上流で済ませる日を分け、往復を減らします。
一週間を鉄道利用日、田中・峰周辺の日、上流地区で済ませる日に分けます。買い物、行政、通院を毎回別々に川下へ運ばないことが、移動回数を減らします。
家族の車が一台なら、車を使う人が下田・伊東方面へ出た日に、残る人が逆川線や広域バスで用事を済ませられるかを試します。時刻表は行きではなく帰りから埋めます。
逆川線は、予定どおり終わる日、用事が三十分延びる日、一本乗れない日の三通りで復路を作ります。11停留所のどこで降りるかだけでなく、降車後に川を渡るか、暗い支線へ入るかまで書いて初めて候補住所と結びます。
河津駅で列車からバスへ乗り換える日は、改札から停留所までを歩き、行先表示、道路横断、待ち時間を記録します。時刻表上の数字から、この徒歩時間を引いた余裕を使います。
川上で用事が重なる日は一度にまとめ、川下で終わる日は上流へ戻る前に済ませます。住所の近さより、同じ高さ・同じ方向にある用事を束ねます。
川下へ何度も往復せず、同じ谷の高さにある用事を一日にまとめます。
河口の津波と谷の土砂を別の矢印で描く
橋、河川、海岸、斜面を候補住所と日常経路へ重ねます。
河津駅・浜・今井浜など海岸側では津波、河津川沿いでは洪水、谷の支流や斜面では土砂災害を確認します。海から離れる方向と、川・斜面から離れる方向が同じとは限りません。
自宅、二駅、役場、学校、通院先、よく使う橋を最新の地図へ置きます。橋が使えない場合に同じ岸で待てる場所と、谷を無理に移動しない条件を決めます。
川下の家族と川上の家族が災害時に河津駅へ集合する計画は避けます。現在地に近い公式の避難先で安全を確認し、河川・道路の情報がそろってから連絡します。
避難路は昼と夜に歩きます。河口から上る道、河川から横へ離れる道、斜面下を避ける道を別の色で描き、個別敷地の安全性は町の最新情報で判断します。
河口には海からの矢印、谷には川と斜面からの矢印を描き分けます。