日出町を鉄道地図で見ると、JR日豊本線の大神、日出、暘谷、豊後豊岡という4駅が別府湾岸に並びます。駅が一つだけの町ではないため、候補地を「駅あり・駅なし」の二択で分けるだけでは足りません。
町の暮らしは、日出、川崎、藤原、大神、豊岡、南畑の六地区に分けると見えやすくなります。4駅は海岸の一本の軸ですが、六地区は駅への近さ、町外へ向く方向、町内交通、災害条件がそれぞれ異なる生活単位です。
四駅を、一本の海岸軸として読む
駅名を四つ並べるだけでなく、別府湾岸を東西へ移る生活線にします。
西から豊後豊岡、暘谷、日出、大神の順に、日豊本線の駅が続きます。豊後豊岡は別府方向、大神は杵築方向に位置し、日出・暘谷は町の中心部を二方向から支えます。駅数ではなく、朝の行き先と帰宅時刻に合う区間を確認します。
豊後豊岡駅周辺から日出中心へ向かう日と、別府市へ直接向かう日では、同じ上り方面でも目的が違います。大神駅側では杵築市方面の用事も生活候補へ入ります。町内だけで一週間を閉じず、隣市への通勤、通学、医療、買い物を日別に並べます。
駅の徒歩圏は海岸平地だけで決めません。線路から丘陵側へ上がる道路、踏切、夜の照明、自転車で越える坂を見ます。海岸に近い最短路が、津波時の避難方向と反対になる住所もあるため、日常路と避難路を二本用意します。
四駅を競わせるのではなく、別府湾岸を東西へ動く一つの生活軸にすると、町外の行き先まで含めて住所を比べられます。
日出駅と暘谷駅の間に、町の中心を置く
二駅の役割を競わせず、行政・買い物・通学の目的地を重ねます。
日出地区では、日出駅だけを代表駅に決めず、暘谷駅との間にある役場、学校、商業、医療等の用事を重ねます。自宅からどちらの駅が近いか、駅と日常目的地が同じ方向かを歩いて確かめます。
朝は日出駅、夕方の買い物は暘谷駅側という使い方もあり得ます。家族全員が同じ駅を使う前提を外し、通勤、通学、通院、送迎を別々の線で描きます。駅前だけを見て、二駅の間にある生活機能を落とさないことが重要です。
川崎地区や藤原地区から中心へ入る場合は、駅までの距離に坂と道路の横断を加えます。車では短く見えても、歩行、自転車、家族送迎では経路が変わります。役場へ行く日と鉄道に乗る日が同じ方向かも確認します。
中心部の候補住所では、日出駅まで、暘谷駅まで、役場・日常の買い物先までの三つを実測します。「中心駅」を一つ選ぶより、二駅と日常機能に囲まれる位置を探すほうが、家族の一週間を具体化できます。
学校区も、六地区のまとまりを確かめる手掛かりです。通学先が近くても、保護者の通勤駅、放課後の迎え、通院先が反対方向なら、家族の移動は一往復で済みません。平日の朝、放課後、休日の三場面で二駅のどちらを使うかを記録します。駅前の短時間だけでなく、夕方に中心部から住宅地へ戻る道も歩きます。
日常の医療や行政は町内、専門的な受診や大きな買い物は別府・大分・杵築方面という家庭もあります。町内で完結する用事と町外へ出る用事を色分けし、二駅と自動車の役割を重ねないようにします。
豊岡・大神・藤原で、町外への向きを変える
同じ海岸町でも、別府側・杵築側・内陸側で日常の行き先が異なります。
豊岡地区は町西側で、豊後豊岡駅から別府方面へ向かう線を作りやすい一方、地区内すべてが駅徒歩圏ではありません。海岸沿い、丘陵側、駅から離れる集落で、中心部へ戻る用事と別府へ出る用事を分けます。
大神地区は町東側に大神駅があり、杵築方面との連続を持ちます。町内路線の大神線は鉄道と同じ役割ではなく、集落、中心部、日常施設をつなぐ補完手段として現行便を確認します。往路が使えても帰路が合わない場合、デマンド交通や送迎へ切り替えます。
藤原・川崎は海岸駅から内陸へ入る住所があり、大分空港道路や日出JCTによる広域自動車移動も生活線へ加わります。ただし高速道路が近いことと、歩いて駅・店へ行けることは別です。車を使う日と使えない日を分けて候補地を見ます。
六地区を行政区分だけで終わらせず、豊岡は別府側、大神は杵築側、藤原・川崎は丘陵・広域道路側という町外方向を記録します。町中心へ何分かだけでなく、よく使う隣市へ乗換えず向けるかが地域差になります。
南畑まで、二路線とデマンド交通をつなぐ
駅のない地区は固定路線と予約交通を同じ一週間に組み込みます。
南畑は町南端の内陸地区で、海岸4駅の並びだけでは生活線を描けません。現行の町内路線は南端線と大神線です。南端線は南畑から豊岡・中心部・藤原方向、大神線は大神から川崎・中心部・藤原方向を結ぶため、候補地区に合う停留所、運行日、降車後の徒歩、帰りの便を一続きにします。
町内全域を対象とする登録制デマンド交通は、平日9時から16時30分までを基本に、自宅付近と町内の指定目的地を結びます。固定路線の代わりに無条件で来るタクシーではありません。登録、予約、運行日、指定目的地、片道300円という条件を家族ごとに確認します。
南端線が合う定期的な用事、デマンド交通を予約する通院・買い物、家族送迎が要る早朝・夜間を一週間へ並べます。駅のない南畑では、鉄道までの距離より「固定便で済む用事/予約できる用事/自力が必要な時間」を分けることが判断軸です。
大神地区でも、町内路線とデマンド交通の対象は重なります。便利さを足し算せず、同じ時間帯に代替になるかを確かめます。悪天候や道路規制時は通常運行を前提にせず、地区内で用事を減らせる準備も持ちます。
海岸と内陸で、確認する災害を分ける
津波・高潮、土砂、小河川、ため池を住所ごとに読み替えます。