池田町で「最寄り駅」を検索しても、町内の駅名は出てきません。代わりに必要なのは、町の中を回る時計と、山を越えて福井市へ出る時計です。二つを一つのバス路線だと思うと、行けるのに帰れない一日ができます。
現在の町は1955年に上池田村と下池田村が合併し、1964年に町となりました。足羽川の源流域に集落が点在し、町域のおよそ九割を森林が占めます。道路、川、斜面、雪が近接するため、移動手段は便数だけでなく通る場所まで見る必要があります。
たとえば同じ朝、子どもは町内の学校へ、家族は福井市の病院へ向かうとします。二人が乗る車両も、使える区間も違います。池田町では、この小さな食い違いを先に見つけるほど、必要な送迎や車の台数を現実に近づけられます。
駅の代わりに二台の時計を置く
町内循環と福井市への越境便を、役割・運行日・利用条件から二つに分けます。
なかま号は町内を巡回する無料のバスです。平日に運行し、経路上では自由乗降ができます。役場、ほっとプラザ、学校、水海、松ケ谷など、町内の用事をつなぐ交通として読みます。
マイバスは町と福井駅東口、福井県済生会病院等を結びます。2019年、従来の福井市方面路線バスが終わった後に始まりました。町内区間だけ、福井市内区間だけの利用はできません。名前はどちらも地域交通ですが、担当する一日は重なりません。
時刻表を二列にし、左へ町内の用事、右へ福井市の用事を書きます。休日や予約が必要な便は別の色にします。一本の行程へ無理にまとめず、乗れる条件までそろった時だけ生活の選択肢に数えます。
時刻表には「誰が使えるか」も書き添えます。運行があるという事実と、家族の予定に使えることは別です。予約の要否や利用区間を飛ばさないだけで、送迎を前提にしていた日と、公共交通だけで閉じる日を分けられます。
池田町の公共交通は一枚の路線図ではなく、町内循環と福井市への越境という二台の時計です。
五地区の用事をなかま号へ載せる
防災図の五地区と町内施設を重ね、無料循環で完結する用事を確かめます。
町の防災図は角間郷、中、水海、下、下池田の五地区に分かれます。この区分は、候補住所に近い停留所と、川や斜面を避ける道を同時に探すのに役立ちます。「池田町内」と一括せず、自宅がどの図に入るかから始めます。
役場での手続き、学校・こども園、町内の買い物を一週間分書き出し、なかま号の運行日へ載せます。自由乗降できる区間でも、冬の路肩、待つ場所、荷物を持って歩く距離は現地で確かめます。
町内で終わる用事が分かると、福井市まで出る回数を減らせるかが見えます。一方、診療内容や買い物によって町外が必要なら、なかま号だけで足りるとは判断しません。
森林の仕事や田畑へ向かう移動は、役場・学校行きの循環だけでは測れません。勤務場所が林道側なら、始業時刻、作業車の置き場、冬の通行を通勤表へ別に足します。森林の町という特徴が、暮らしではどの道を何時に使うかへ変わります。
五地区の図は住所を分けるだけでなく、停留所、生活施設、避難路を一組にする索引です。
福井市への一往復を帰りから決める
福井駅や病院へ向かう日は、町内だけでは使えないマイバスの帰便から組みます。
マイバスで福井市へ向かう日は、まず帰りの便を決めます。福井駅東口、病院、学校など目的地から乗り場までの移動時間を引き、用事を終える時刻を逆算します。往路だけ成立する予定は、日常の予定として完成していません。
平日と休日では便や予約条件が変わります。通院の終了時刻が読めない日、家族が別の車を使う日、荷物の多い日も一度試します。福井市内だけをマイバスで移動できないため、到着後の市内交通や徒歩も別に用意します。
福井市に近い下池田側でも、道路状況と停留所までの区間を省けません。大野市や越前市へ向かう用事は同じ便へ載らないため、行き先ごとに町外交通を確認します。
予約便のない時間帯に予定が延びた場合は、最寄り駅を探し直すのではなく、迎えに来られる人、タクシーの営業範囲、宿泊を伴わない延期可否まで決めておきます。山を越えた後の「あと少し」を曖昧にしないことが、帰宅計画になります。
福井市へは到着時刻より先に、町境を越えて自宅へ戻る最後の便を置きます。