富士市で「富士駅」を検索しても、街の入口は一つに定まりません。新幹線の新富士駅、東海道本線と身延線の富士駅、東海道本線と岳南電車が接続する吉原駅、吉原の中心に近い吉原本町駅は、それぞれ離れています。
市も富士駅周辺と吉原地区を二つの中心市街地として扱い、市内を26地区に分けています。駅名を一つ選ぶより、どの鉄道で来て、どの中心で用事を済ませ、海側と山側のどちらへ帰るかを決める方が実際的です。
新富士駅と富士駅の間を乗換時間として測る
駅名の近さに頼らず、新幹線から在来線へ移る最終区間を測ります。
東海道新幹線の新富士駅と、在来線の富士駅は別の場所にあり、鉄道で直接接続していません。新幹線通勤や出張を考えるなら、二駅間のバス、自動車、送迎までを乗換として数えます。
朝に新富士駅へ着けることだけでなく、夜に在来線側から帰る日、荷物を持つ日、遅れが出た日を試します。検索画面の「新幹線駅まで何分」に、待ち時間と玄関までの最終区間を足します。
新富士駅周辺と田子浦側では、国道1号や港湾道路への接し方も変わります。歩行者の横断、駅前での送迎待機、雨の日の乗降を現地で確認します。
家族が新幹線と在来線を別々に使うなら、どちらか一駅へ迎えを集中させません。二駅ごとの待機場所と、送迎できない日の代替を決めます。
列車の遅れで予定したバスに乗れない時は、二駅間を急いで移動する前に次便と待機場所を確認します。送迎者が二駅を往復しないよう、迎えを頼む基準時刻も家族で共有します。
新富士と富士は同じ駅の新幹線口ではなく、移動を挟む二つの駅です。
富士と吉原の二つの中心を使い分ける
行政・商業・鉄道の集まりが異なる二地区を、一つの中心にまとめません。
富士駅周辺と吉原は、市が位置付ける二つの中心市街地です。富士駅はJR二路線の結節、吉原は旧来の商業・行政機能と岳南電車の沿線が重なります。
ここで注意したいのは、東海道本線の吉原駅と、中心商店街に近い岳南電車の吉原本町駅も別だということです。「吉原駅から徒歩」で用事を組む前に、どちらの駅を指すか確かめます。
買い物、行政、通院、仕事を一週間分置き、富士側で束ねる日と吉原側で束ねる日を分けます。二中心の間を毎回往復するなら、鉄道・バス・自動車のどれが帰宅時間に残るかを確認します。
市役所周辺など二中心の間にある用事は、富士側・吉原側のどちらの日へ組み込むか先に決めます。富士駅、吉原本町、市役所周辺の三点を同じ日に何度も横切らない予定へ直します。
中心が二つあることは選択肢ですが、何でも両方にそろうという意味ではありません。候補住所から同じ用事を二方向へ試し、乗換、駐車、徒歩を含む一往復で比べます。
富士と吉原は競う中心ではなく、用事を分担する二つの入口です。
三つの鉄道を目的地ごとに持ち替える
東海道本線、身延線、岳南電車の向きと接続先を分けます。
富士市にはJR東海道本線、JR身延線、岳南電車があります。東海道本線は東西、身延線は富士駅から北へ、岳南電車は吉原駅から市東部へ進みます。路線数を利便性の合計にしません。
富士宮方面へ向かう日は身延線、沼津・静岡方面は東海道本線、吉原から工業地帯や東部地区へは岳南電車というように、目的地から逆算します。乗換駅の階段や待ち時間も含めます。
岳南電車は市が地域生活を支える路線として公的支援とモニタリングを続けています。沿線を選ぶ場合は、現行ダイヤ、吉原駅でのJR接続、最寄り駅から職場・住宅までの徒歩や自転車を確認します。
吉原本町周辺では中心の徒歩利用、岳南原田より東側では沿線地区や工業地への最終区間というように、同じ岳南電車でも駅の役割を分けます。駅前に用事があるか、降車後にさらに移動するかを記録します。
工場の交替時間と列車・バスの時刻が合うとは限りません。平日昼だけでなく、早朝・夜間の帰宅を一度組み、運休時に地域内で待てる場所も決めます。
三つの鉄道は本数の足し算ではなく、東西・北・市東部という役割の違いです。
二十六地区を海・平地・山麓へ戻す
公式の地区名に高低差を加え、駅から玄関までの南北移動を読みます。
富士市は吉原、伝法、今泉、元吉原、富士駅南、田子浦、岩松、富士川、鷹岡、大淵など26地区を公式に示しています。住所に地区名を添えると、「富士駅から北」のような粗い説明を避けられます。
海岸から北へ進むと、田子の浦周辺の低地、二中心を含む平地、身延線沿い、さらに富士山麓へ高低差が続きます。直線距離が近い隣地区でも、南北の坂や幹線道路で移動時間は変わります。
候補住所から駅、学校、診療、買い物までの標高差を確認します。朝に下れる坂は、買い物袋を持つ帰宅では上りです。自転車を使うなら往復で試します。
旧富士川町に当たる富士川・松野では、富士川駅と川沿い道路が別の玄関になります。富士駅や吉原へ毎回戻る前提を外し、蒲原・由比方向を含む生活圏も確認します。
東部の元吉原・浮島では沼川低地と岳南沿線、西部の岩松・富士川では富士川と身延線・東海道線への接続を先に見ます。同じ海寄り・川沿いという言葉で二つの端をまとめません。
二十六地区へ戻すと、海から山麓までの高低差を住所名の中に残せます。
富士川だけでない水の出口を確認する
複数河川、内水、津波、斜面を日常の経路へ重ねます。
富士市の水害を富士川だけで考えることはできません。市の資料は富士川、潤井川、沼川、小潤井川、赤淵川の洪水浸水想定を示し、内水も別に案内しています。
元吉原や田子浦など沿岸では津波避難も重ねます。海から離れる道が河川や鉄道で止まらないか、徒歩で高い場所へ移る時間を計ります。
山麓側では洪水から離れていても、斜面、沢、南へ下る道路の寸断を確認します。高い住所を一律に安全とせず、災害ごとに離れる方向を替えます。
新富士、富士、吉原のどこかへ全員が集合する計画ではなく、26地区ごとに待機先を持ちます。使える鉄道・橋・道路が分かってから、合流する順番を決めます。
工場、学校、港湾部など昼間の滞在先が自宅地区と違う場合は、その地区の避難先を先に使います。帰宅開始を家族の連絡だけで決めず、施設と市の情報がそろうまで地区内で待ちます。
富士川の大きさに隠れやすい潤井川・沼川・内水を、普段の帰宅路へ重ねます。