葛尾村役場がある落合には、診療所、地域福祉センター、復興交流館あぜりあが集まります。けれども村の暮らしは、落合を中心にした小さな円ではありません。野川・上野川は田村市の船引へ、葛尾・野行側は浪江方面の山地へ道が分かれます。
村内に鉄道駅はありません。落合へ着いて用事を済ませ、さらに船引駅へ出て、同じ日に自宅の谷へ戻る。その復路を組めるかが住所選びの核になります。
落合は終点であり出発点でもある
行政・診療・交流の用事を集め、そこから町外へ出る一日を組みます。
落合では役場、診療、福祉、交流・物販の場所を一周できます。ただし、開庁日、診療日、休館日が同じとは限りません。時間を変えにくい診療を先に置き、窓口、郵便、買い物を待ち時間へ入れます。
船引方面へ出る日は、落合を村内用事の終点ではなく町外交通の出発点にします。自宅から落合まで車を使うのか、バス経路上で乗るのか、帰りに車を回収できるかを書きます。
落合は村の中心ですが、各谷からの終点であると同時に、船引へ向かう始点です。 二つの役割を一日の時刻表へ重ねます。
四つの旧村を五つの谷へ開く
歴史区分を、現在の地域計画と最初に使う道路へつなぎます。
村の沿革では、1889年に上野川、野川、落合、葛尾の四村が合併した経緯を確認できます。現在の地域計画はさらに、落合・大笹・岩角・広谷地、夏湯・大放、野川・上野川、上葛尾・下葛尾、野行の五まとまりで農地と地域を整理します。
これは住所を読む実用的な目次になります。野川・上野川は船引方向、夏湯・大放は落合へ下る支道、上葛尾・下葛尾は山間の東西道路、大笹・岩角・広谷地は村境の峠を確認します。
野川側から船引へ通う日は、落合まで戻らず途中停留所を使えるかを確かめます。夏湯側では落合の診療日に合わせた短い往復、上葛尾側ではまとめ買いの日に燃料・薬も一度に受け取る計画を試します。地区ごとの違いを景色ではなく、外出回数と帰宅時刻へ置き換えます。
同じ「落合から数キロ」でも、谷が違えば最初に使う県道、雪の残り方、町外へ抜ける向きが違います。 住所ごとに、大字、地区まとまり、最初の幹線、第二経路の四項目を残します。
船引駅から帰る便を先に置く
行きの便数ではなく、用事が延びた日の落合までの復路を確かめます。
移経由葛尾線は、船引駅前から移農協前、野川を経て落合へ向かいます。平日と土日祝で運行本数が異なります。駅がある田村市から村へ戻る終点側の時刻を先に見ます。
列車が遅れた日、通院が延びた日、買い物の会計に時間がかかった日を想定し、乗れる帰便を確認します。落合到着後に自宅が上葛尾や別の谷なら、その先を家族送迎や車なしで進めるかは別問題です。
自家用車を落合に置いてバスへ乗る場合は、駐車可否と夜間の受取、鍵を持つ家族を決めます。送迎なら迎え役が急に動けない日、タクシーなら船引・落合のどちらから依頼できるかを確認します。経路外の玄関までを「家族が何とかする」で空欄にしません。
船引駅から落合まで帰れても、自宅の玄関まで戻れなければ一日の交通は完成しません。 バス経路上・経路外を分け、最後の数kmを毎日続けられる手段にします。
野行と小出谷は地番で確かめる
一部解除と特定帰還居住区域の計画を、村全域の条件に広げません。
2016年6月に居住制限区域と避難指示解除準備区域が解除されましたが、野行を含む全村一括の解除ではありません。その後、野行の特定復興再生拠点区域で解除が進み、小出谷では特定帰還居住区域の計画・整備が進められています。
区域図が個人宅の特定につながるため非公開とされた資料もあります。候補地はウェブ地図だけで推測せず、地番を持って復興推進室へ確認します。計画認定、除染、インフラ整備、準備宿泊、避難指示解除を別の段階として記録します。
窓口には、地番、立入目的、同行者、車両、滞在予定時刻、通る県道を伝えます。その上で、通行証の要否、道路の開放範囲、電気・水道・通信、廃棄物、緊急時の退出方法を聞きます。一度の確認を居住可否の恒久回答として保存しません。
「野行の一部が解除された」と「小出谷を含む東側全域で居住できる」は同じ意味ではありません。 住所ごとの現在を、道路通行の条件と一緒に確かめます。