宮古市の面積は1,259.15平方キロメートルで岩手県内最大、市域の約92%を森林が占めます。宮古湾の市街地だけを見て「宮古市の暮らし」とまとめるには、海から区界までが広すぎます。
現在の市は2005年に旧宮古市・田老町・新里村、2010年に川井村が合併してできました。交通計画はさらに生活圏を八地区に分けます。四地域を起点に、沿岸と閉伊川沿いの交通を重ねます。
四旧市町村を一枚に縮めない
県内最大の市域を、宮古・田老・新里・川井と生活圏の違いから読みます。
宮古中心には市役所、医療、商業、交通の機能が集まります。田老は北の沿岸、新里は谷筋、川井は閉伊川上流から区界へ広がり、それぞれ総合事務所や診療所があります。同じ市内でも、中心へ毎日通う前提が現実的とは限りません。
候補住所では、地域内で済む窓口・受診・買い物、宮古中心へ出る用事、盛岡や周辺自治体へ出る用事を三段に分けます。直線距離ではなく、川と橋、半島の道路、山間の支道を含む往復時間を記録します。
田老・新里・川井では、まず総合事務所へ扱える手続きを聞き、診療所には診療日、予約、検査、薬の受取を確認します。地域内で完結しない項目だけを宮古中心へまとめます。証明書一枚のために中心へ向かうのか、次の受診日に合わせられるのかで、月の移動回数は変わります。
「宮古市内」という一語を、宮古・田老・新里・川井の四つの一週間へ開きます。 中心部までの遠近だけで地域を評価しません。
海岸線と閉伊川線を分ける
三陸鉄道とJR山田線を、同じ中心から伸びる交換可能な路線にしません。
三陸鉄道リアス線は田老や宮古、津軽石など沿岸の南北軸です。JR山田線は宮古から茂市、川井、区界へ閉伊川沿いを進む内陸軸です。二路線は同じ住宅地から自由に選べる平行線ではありません。
沿岸では駅から津波避難先まで、内陸では駅から集落までの支道と冬の帰宅を確認します。宮古駅で乗り換える日も、列車の接続だけでなく、診療や買い物を終えて戻る最終区間を残します。
家族の一人が三陸鉄道で田老方面へ、もう一人が山田線で川井方面へ出る日は、宮古駅で車を共有できません。沿岸側は運休時の南北移動、内陸側は列車を逃した時の国道106号経由の迎え可否を別々に確認します。二人が同じ時刻に帰る前提を外し、待機できる場所を各路線に一つずつ置きます。
三陸鉄道は海岸の軸、山田線は閉伊川の軸として、住所の流域から使う路線を決めます。 駅名の数で交通条件を比べません。
デマンドはバス停までの交通
自宅から目的地ではなく、指定地域バスへの接続と復路を予約します。
田老・新里・川井のデマンドタクシーは、停留所まで概ね500メートル以上などの条件を満たす利用者を、自宅から指定の地域バス停へ接続する仕組みです。自宅から病院や商店へ直接向かう一般的な乗合タクシーではありません。
利用登録を行い、原則として前日17時までに予約し、地域バスの運行曜日・時間に合わせます。行きのタクシー、地域バス、用事、帰りの地域バス、接続タクシーを一組で予約できるか確認します。
診療が長引いて地域バスを逃した場合、接続タクシーだけを遅らせても帰れません。次の地域バスがあるか、総合事務所等で待てるか、家族送迎へ切り替える連絡期限を予約時に聞きます。前日17時を過ぎて発生した急用は制度だけで解決せず、通常のタクシーの営業範囲や地域内の支援先を確認します。
デマンドタクシーは目的地への直行便ではなく、谷筋の自宅と地域バスをつなぐ最初と最後の区間です。 バスを逃した後の帰路は別に用意します。
総合事務所を中心用事と比べる
地域内で済む用事と宮古中心へ向かう用事を分け、移動回数を減らします。
田老、新里、川井には総合事務所があり、地域の診療所もあります。証明、相談、日常的な受診を地域内で済ませられるかを先に確認し、専門医療や大きな買い物など宮古中心へ向かう用事だけを束ねます。
受付曜日や診療時間を固定し、同日に郵便や買い物を回れるかを試します。地域内施設があることを「すべて済む」と広げず、扱える手続き・診療、休診、予約、薬の受取場所を確認します。
宮古中心への距離を短くするのではなく、地域内で済む用事を見つけて中心への往復回数を減らします。 総合事務所と診療所の役割を具体的に聞きます。