新城市は、鉄道路線の長さだけでは読みにくい市です。JR飯田線は豊川と宇連川の谷に沿いますが、市域のすべてを通るわけではありません。標高約550メートルの作手高原へは、駅からもう一度地形を上り直す必要があります。
市には新城、千郷、東郷、舟着、八名、鳳来中部、鳳来南部、鳳来東部、鳳来北西部、作手の十地域自治区があります。この記事では十の名前を三つの交通地形へ戻し、帰宅できる線と、動かない線を別々に作ります。
十地域を三つの交通地形へ戻す
十の地域自治区を、暮らしの向きが異なる谷沿い、鳳来山間、作手高原へ整理します。
2005年に旧新城市、鳳来町、作手村が合併し、市域は499.23平方キロメートル、森林は八割を超えます。ただし旧三市町村だけでは、現在の細かな地域差を拾い切れません。
十地域を「新城中心と豊川沿い」「飯田線と鳳来の谷・山間」「分水界の作手高原」の三枚へ一度整理します。その上で、食料品、通勤・通学、受診、行政・地域施設を各地域へ戻します。
三枚の目的は地域を粗くまとめることではありません。同じ交通地形に見えても、最後の集落、橋、峠が違うことを見つけ、十地域へ戻すための下書きです。
下書きの末尾には地域自治区名を戻し、その地域だけに残る最後の一手を一つ書きます。舟着なら川を越える地点、鳳来東部なら市境方向、作手なら峠の入口というように、三分類のまま住所を決めません。
十地域は行政名で覚えず、谷・山間・高原の帰路へ置き直します。
飯田線の駅から谷を上り直す
駅までの所要時間ではなく、駅を降りて用事と玄関へ戻る後半を測ります。
飯田線は市街地から長篠、鳳来方面へ延びます。駅名が多くても、駅を降りた場所が生活の終点とは限りません。川沿いの駅から住宅、学校、買い物先まで、斜面や橋を含む後半があります。
利用する駅ごとに、到着後20分のカードを作ります。改札から食料品、停留所、玄関の順に歩き、上り坂、橋、街灯、雨を避ける場所、列車を一本逃した場合の待機先を記録します。
駅数を便利さの数に置き換えません。朝の列車と、17時30分・19時・21時に駅へ戻る三つの帰路を試し、駅から先の手段が残る時刻を確かめます。
遅れは列車待ち、橋・踏切、上り坂、バス待ちの四列に分けます。到着後20分のうち何が毎日生じ、何が雨の日だけ増えたかを残し、坂の負担を列車本数の問題へ混ぜません。
飯田線は駅に着くまでではなく、谷から玄関へ上り直すところまで測ります。
Sバスを一枚の路線図にしない
定時路線、デマンド、地域が支える交通を、予約と利用範囲から分けます。
市のSバスには、決まった時刻と停留所で走る路線だけでなく、地域により予約型や住民主体の交通があります。名称が同じでも、予約、利用できる範囲、乗降場所は同じではありません。
作手のデマンド型交通「あしがる」は、作手地域内の移動と地域外の指定停留所への接続を分けて確認します。山吉田のふれあい交通も、誰でも常時使える一般路線と決めつけません。
交通票を定時、デマンド、地域運営の三欄に分けます。予約期限、利用対象、区域内の乗降、区域外の接続、帰りの最終受付を、利用日の公式案内で確認します。
各欄の上部には市の公式ページ名、確認日、対象者の条件を書きます。「Sバス」という共通名だけを転記せず、候補地域で乗れる人、予約できる時間、区域外で降りられる地点を一組で照合します。
Sバスは名前ではなく、予約と乗れる範囲で別々に読みます。
分水界では帰宅先を一つにしない
豊川側と矢作川側へ水が分かれる作手で、通勤と受診の帰路を別々に置きます。
作手高原は豊川水系と矢作川水系の分水界にあります。標高だけでなく、どちら側の道路を下るかで、通勤、受診、買い物の行き先が変わります。
候補住所から新城中心へ下る日と、隣接する岡崎・豊田方面を含む別方向へ出る日を、同じ用事で比べます。往路の短さだけでなく、夕方の峠越え、給油、通信、降雨や凍結時の代替を記録します。
道の駅もっくる新城周辺は交通をつなぐ地点ですが、すべての地域が同じ時刻に集まれるとは限りません。乗換点へ到達する前後を切り離して測ります。
作手のカードには、峠を越えない降雨・降雪・凍結の判断を公式の気象・道路情報で確認する時刻と、地域内で待てる場所を書きます。判断後に新城側へ出発せず、別方向へ下ることも自動的な代替にしません。
分水界の暮らしでは、帰る方向を最初から一つに固定しません。
川・斜面・高原で動かない条件を置く
洪水、土砂、降雨や積雪を現在地別に重ね、戻らない判断を先に決めます。
新城中心と飯田線沿いでは河川、鳳来の山間では斜面、作手高原では峠道と気象条件が移動を止めます。同じ大雨でも、離れる方向は一つではありません。
十地域のカードに、現在地、使わない道、待機先、次の連絡時刻を書きます。通勤先、学校、駅、集落のどこにいるかで、川を渡らない線、斜面へ近づかない線、峠を越えない線を選びます。
自宅へ戻る前提を外し、公式ハザード資料と道路・交通の現行情報を同じ日に確認します。古い運行表と新しい防災図を継ぎ合わせません。
家族が谷沿い、鳳来山間、作手高原に分かれた日は、全員の次回連絡時刻だけをそろえます。移動方向はそろえず、それぞれのカードに図名、使わない経路、現在地で待つ条件を残します。
川・斜面・高原では、避難先より先に動かない条件を決めます。