韮崎駅の西口と東口を行き来するだけでも、街の高さが変わります。市の中央を貫く七里岩は、地図では一続きの台地ですが、暮らしでは「上へ戻る」「川側へ下りる」という身体の動きになります。
市内の中央本線駅は韮崎、新府、穴山の三駅です。1954年に韮崎町と十村が合併し、今も韮崎、穂坂、藤井、中田、穴山、円野、清哲、神山、旭、大草、龍岡の十一地区名が使われます。三駅と十一地区を、七里岩の上下へ置き直します。
三駅を七里岩の上下へ置き直す
駅間の近さより、台地の上か河川側かで徒歩・自転車の負担を読みます。
韮崎駅は市役所や中心市街地への入口です。新府駅と穴山駅は北側の中田・穴山地区にあります。三駅を同じ規模の駅前とみなさず、列車の本数、待合、駐輪、駅から生活施設までを一駅ずつ確認します。
地図上で駅が近くても、七里岩の縁を上り下りする住所では徒歩・自転車の所要が変わります。行きが下りなら、荷物を持った帰りは上りです。雨、凍結、暗さも同じ経路で確かめます。
新府・穴山側では、駅がある安心だけで決めず、韮崎駅周辺の病院や買い物へどう出るかを測ります。
三駅の距離へ七里岩の上り下りを足すと、最寄り駅と使いやすい駅が別になる住所が見えます。
一町十村の名前で市内を読み分ける
十一地区を、中心、北側二駅、東の台地、西・南の山麓へ整理します。
十一地区は合併史の名残でありながら、現在の地域活動、農地、交通、防災の案内にも使われます。韮崎・藤井の中心、北の中田・穴山、東の穂坂、西の円野・清哲・神山、南の旭・大草・龍岡では、駅と道路の向きが違います。
穂坂からは台地側、円野・清哲からは西側山麓、龍岡からは甲斐市・南アルプス市方向の動線が見えます。「韮崎駅まで何分」の一問だけで全地区を比較しません。
学校、支所、受診先、買い物を地図へ置き、町外で済ませる用事も別の色にします。市境の近さが行政区域の共通を意味するわけではありません。
一町十村の合併を現在の住所へ置き換える時は、十一地区の境を厳密な生活圏と決めつけません。地区名を入口に、市民バスの停留所、通学先、買い物へ実際の矢印を足します。境界を守るためではなく、同じ市内を一色に塗らないための使い方です。
十一地区名は、七里岩と三つの川のどちら側で一日が始まるかを探す座標です。
五路線を病院・駅・地区の往復にほどく
路線名だけでなく、診察や列車の終了時刻から帰りの便を確かめます。
市民バスは丸野、社会福祉村、穂坂、龍岡、体育館の五路線です。韮崎駅だけでなく市立病院などを結びます。路線があることより、目的地へ必要な時刻に着き、帰りの便へ間に合うかが重要です。
市民バスは元日を除いて運行しますが、土日祝日や年末は便数が異なります。平日の通院表を休日の買い物へ流用しません。停留所から自宅までの坂も往復へ入れます。
通院では、予約時刻に間に合う往路より会計後に乗れる帰路が難しくなることがあります。病院を出る時刻を三通り置き、五路線のどれへ乗れるか、韮崎駅で列車へ渡すか、自宅側の停留所から坂を上れるかまで逆算します。
AIオンデマンド交通は停留所と予約条件を持つ別の仕組みです。定時バスが来ない時にその場で必ず呼べる車とは考えず、対象区域と予約方法を公式案内で確認します。
五路線は路線図で数えず、病院の会計と列車到着の後にも地区へ戻れるかで確かめます。