南陽市の玄関として知られる赤湯駅には、山形新幹線、奥羽本線、フラワー長井線が集まります。けれど市の暮らしは、赤湯だけを中心にしてできたものではありません。
市は1967年、赤湯町、宮内町、和郷村の合併で生まれました。古くから市街を持つ宮内・漆山と赤湯の間には、1982年に市役所が置かれました。現在の南陽市は、赤湯、宮内・漆山、沖郷・市役所という三つの核が重なっています。
候補住所を八地区へ置き、毎日の駅、行政・買い物・通院先、車を使わない日の帰路をつなぎます。「赤湯駅に近いか」だけでは、二つの鉄道と複数中心を使う一週間を説明できません。
三つの中心は合併後に重なった
赤湯と宮内の旧来市街、その間に置かれた市役所を、現在の用事へつなげます。
赤湯には新幹線駅と旧来の市街、宮内・漆山には歴史的な市街とフラワー長井線の駅があります。市役所はその二つの間、沖郷に近い位置です。
市役所の位置を地図の中央点ではなく、合併後に複数の中心を結んだ手掛かりとして読みます。 行政へ行く日、赤湯駅を使う日、宮内で用事を済ませる日を別々に再現します。
宮内中心部には歴史的な細街路が残り、赤湯駅周辺とは道幅や曲がり方が違います。駅まで同じ距離でも、荷物を持つ帰路や冬の歩き方は同じになりません。
三中心の中間に住めばすべてが近い、と決めつけず、横断する道路、踏切、川を数えます。毎日向かう一か所を先に選ぶ方が、移動の重なりを減らせます。
例えば朝は赤湯駅、昼は市役所、夕方は宮内で買い物という平日を一本にします。三中心を回る回数と、途中で鉄道を横切る回数を数え、用事の順を入れ替えても帰宅時刻が崩れない住所かを試します。
八地区を駅と谷筋から読み替える
平坦部の連続市街と東・北の山間地区を、一つの南陽市像にまとめません。
南陽市は赤湯、中川、宮内、漆山、吉野、金山、沖郷、梨郷の八地区です。平坦部に市街や鉄道が続く地区と、東・北の山地や谷筋に入る地区では条件が変わります。
八地区を同じ大きさの箱にせず、駅へ開く地区、道路へ開く地区、谷筋を通る地区に分けます。 地区内で終わる用事と、三中心のどこへ出る用事かを書きます。
中川にはJR駅、梨郷にはフラワー長井線の駅がありますが、駅の存在だけで地区内の全住所が徒歩圏になるわけではありません。玄関から駅までの高低差、照明、積雪後の幅を測ります。
吉野・金山では、中心へ出る一本の道に用事が重ならないかを見ます。赤湯・沖郷・宮内・漆山では、近距離でも鉄道や幹線の横断を確認します。
梨郷ではフラワー長井線と南西方向の道路、中川では奥羽本線と東側の谷筋を別に見ます。吉野・金山は駅名から生活圏を決めず、中心へ出る便と冬の幹線までの道を先に確かめます。
二つの鉄道を行き先で使い分ける
JR・新幹線とフラワー長井線を、駅数ではなく生活目的地から選びます。
JRの市内駅は赤湯と中川です。フラワー長井線は赤湯、南陽市役所、宮内、おりはた、梨郷の五駅に停まります。
七つの駅名を数えるより、山形方面、長井方面、市内の用事へ向く一本を決めます。 朝、夜、休日の列車を駅別に並べ、一本逃した時の戻り方も確認します。
赤湯駅は広域移動の入口ですが、宮内・梨郷方面から毎回赤湯へ戻る必要があるとは限りません。フラワー長井線で直接向かえる日と、JRへ乗り継ぐ日を分けます。
中川駅は東部の入口です。停車時刻が生活時間に合うか、駅から山側の住所へ帰る最後の区間をどうするかまで見ます。
宮内・おりはた・梨郷から長井方面へ行く日は、赤湯駅へ戻らない行程も作ります。反対にJRへ乗り継ぐ日は、赤湯駅での待ち時間を含めます。五つの私鉄駅を一括せず、一駅につき一つの現実的な用事を置きます。