神津島村の住居は、天上山の西側にある集落へまとまります。島内に鉄道駅はなく、徒歩・車両・島内交通と船・航空をつなぎます。港は西側の前浜港だけではありません。海況などにより東側の多幸湾を使う日があり、同じ便でも家を出る時刻と道路の向きが変わります。
島の面積を理由に、どの住所も同じ生活圏だと決めるのは早計です。海面に近い前浜側から集落上部まで勾配があり、役場、学校、医療、商店、空港への道が違います。ここでは東西二港の切替と西麓集落の上下を一枚の生活地図へ重ねることを中心にします。
天上山の西麓にまとまる集落を上下で読む
西麓集落の施設と高低差を見ます。
集落は面的にまとまりますが、平坦な市街地ではありません。前浜港に近い下部、役場・学校等へ動きやすい中央、空港・山側道路へ近い上部では、徒歩の坂と災害条件が違います。候補住宅から日用品、診療、学校、役場、避難先を荷物を持って歩きます。
住所の直線距離が短くても、強風・雨・暑さ、夜間照明で負担は変わります。車を持つ場合は道幅、駐車、家族内の配車、運転できない日の代替を確認します。一集落であることと、全施設が同じ徒歩条件で使えることは同義ではありません。
農地や作業場所、公共施設、港の荷役は時間帯によって車両が集中します。内見時だけでなく平日朝と船の入港前後を見て、玄関前の道路が生活・物流双方へどう使われるかを確認します。
集落内では、ごみの収集地点、給油、郵便・宅配、学校行事や診療日の臨時交通も確認します。徒歩で近くても開いている曜日が合わなければ移動が増えます。海側の塩害と山側の排水も、同じ集落内で点検項目が変わります。
前浜港と多幸湾の切替を朝の予定に入れる
当日の港と島内接続を確認します。
船を利用する日は、前夜の予定港だけでなく当日の運航情報を確認します。前浜港なら集落下部へ近く、多幸湾なら島を横断する道路移動が加わります。航空便を使う場合も、空港への上りと本土側の接続を別に測ります。
港変更時の島内送迎・バスがどの便へ接続するか、荷物量、乳幼児や高齢者の支援を確認します。乗船券に書かれた時間ではなく、玄関から変更後の港待合までが出発時刻です。自家用車を港へ置けるか、家族の迎えが別の用事と重ならないかも一週間表へ入れます。
欠航した場合は、通院・仕事・学校・宿泊の変更手順を決めます。計画に掲げられた港周辺整備や交通改善を、現在利用できる便・設備として数えません。東海汽船、航空事業者、村の情報を役割別に受け取ります。
港変更後に送迎車が確保できない場合の連絡先も持ちます。乳幼児用品、医療機器、大型荷物が通常と同じ条件で載るとは限りません。予約段階で荷物・介助の条件を事業者へ伝え、島内交通へ引き継ぎます。
島内生活と島外受診を予約単位で分ける
用事ごとに島内外の移動を分けます。
村内には行政、学校、基礎的な医療、商店等があります。何が島内で完結し、どの専門診療・買い物・進学が島外になるかを世帯別に整理します。施設名を列挙するのではなく、提供日、予約時刻、帰島便までを確認します。
定期受診では薬の残量、欠航時の処方相談、前泊・後泊の可能性を持ちます。大型品の購入や修理では、港到着後に住宅まで運べる車両と作業者の日程を聞きます。海路が動いても、島内配送が同日に完了するとは限りません。
産業は漁業、農業、観光関連、公共サービス等で勤務場所と時間が異なります。在宅勤務なら通信・非常電源・欠航時の機器配送を確認します。島内で近接する用事と、運航予約を必要とする用事を同じカレンダーに混ぜないことが生活の余白を守ります。
住宅設備では水道、排水、給湯、通信、塩害を受ける金属部、台風時の雨戸を見ます。島外から修理担当者が来る設備は、故障から復旧までの期間と代替手段を確認します。収納は物流が遅れる間の食品・薬・部品を保管できるかで評価します。
津波・火山・斜面で避難の向きを変える
災害別の避難方向を重ねます。
前浜港周辺など海岸低地では津波時に高所へ向かいます。集落上部・山際では土砂災害警戒区域、天上山に関する火山防災を別に確認します。高い場所へ移ればすべての災害を避けられるわけではありません。
村の地域防災計画は、津波や急傾斜地崩壊による道路・島内交通の不通、航路・港湾機能の停止、燃料不足を想定します。発電所や下水処理施設など海岸部の機能が影響を受ける場合、住宅が無事でも電力・衛生・物流が止まる可能性があります。
家の浸水色だけでなく、二港・空港・避難所へ続く道路のどこが止まるかを読みます。非常用電源のある指定避難所、情報を受け取る防災行政無線、家族の集合方法を災害別に決めます。
島外避難が必要でも、直ちに希望する港から出られるとは限りません。集合場所、持ち出す医療・身分・学校書類、ペット、島内に残せない仕事を整理します。家族が港・学校・職場へ分かれている時間の連絡順序も紙へ残します。
二つの港が使えない日まで一週間を試す
欠航・物流停止時の持続性を確かめます。
現地では前浜側、集落中央、上部、多幸湾への道路を同じ時間帯で確認します。晴天時だけでなく雨後に坂と排水を歩き、夜の照明、通信、車の転回を見ます。比較表は地域の順位ではなく、世帯が必要とする移動と備えの対応表です。