仲田の役場・診療所へ向かう朝でも、諸見・内花から南下する道と、伊是名・勢理客から中央丘陵の南側を回る道は同じではありません。伊是名村の五集落は一列に並ばず、仲田・諸見・内花は丘の東、伊是名・勢理客は西へ開きます。仲田に港・学校等が集まることと、五集落の生活経路が一つであることは別です。
村内に鉄道駅はありません。仲田港と今帰仁村の運天港をフェリーいぜな尚円が通常一日二往復します。五集落を丘の東西へ戻し、仲田で済ませる用事と海岸・ため池から退く道を重ねることが、伊是名村の地域選びです。
五集落を中央丘陵の東西へ開く
仲田中心の一生活圏にまとめず、東側三集落と西側二集落の道路・農地・海岸を分けます。
仲田は東側の生活拠点です。役場、港、伊是名小学校・中学校、沖縄県立北部病院附属伊是名診療所、公共施設等が近接します。施設の多さだけで選ばず、住戸から歩ける範囲、港の出航前に回れる用事、海岸から高所へ向かう道を確認します。
諸見は仲田の北側から東海岸・農地へ広がります。仲田へ近く見えても、農道、海岸沿い、丘の裾で経路が違います。内花は1942年に諸見から分かれた集落で、北側に位置します。諸見の一部とせず、通学・受診・買い物の距離を内花から測ります。
伊是名集落は島南西側にあり、歴史的な集落景観と農地・海岸を持ちます。仲田へ向かう日は、丘陵の南側を回る道路と時間を確認します。勢理客は西側の農地と海岸に加え、三つのため池を抱えます。
五集落の違いは仲田からの距離だけでなく、丘のどちら側に暮らし、どの海岸・農地・水系に接するかで生まれます。日没後と雨天時にも、仲田までの道を確かめます。
仲田港の二往復を運天港の先までつなぐ
55分の船だけでなく、車両予約、本島側交通、帰島最終便まで一日の表にします。
フェリーいぜな尚円は仲田港―運天港を約55分で結びます。通常時刻は伊是名発9時・13時30分、運天港発10時30分・15時30分です。村は当日の運航情報を朝に更新するため、予定表だけでなく当日発表を見ます。
車を船へ載せる場合は通年予約制で、出港30分前までに所定の場所で待機します。徒歩客の出港10分前という案内と同じではありません。引っ越し、大きな買い物、通院付き添い等では車両航送の予約と復路を先に取ります。
運天港に着いてから那覇・名護・医療機関等へ移動する時間も必要です。本島側のバス、タクシー、送迎は船と別の運行です。最終の運天港発15時30分に間に合うよう用事先を出る時刻を逆算し、間に合わない場合の宿泊を決めます。
台風や急な海況で欠航・時刻変更があります。仲田港までの島内移動、船の55分、運天港からの本島移動、帰島便を一枚にして初めて「日帰り可能か」が分かります。
往復券の復路には有効期間があっても、希望日に必ず運航する保証ではありません。受診・出張が延びた場合に、券の有効性、車両予約、運天港までの足をそれぞれ確認します。島外で予定を変更する連絡先も、出航前に控えます。
仲田に集まる役場・学校・診療を一周する
港・役場・学校・診療所は仲田内でも同一敷地ではないため、受付順と他四集落からの復路まで確かめます。
伊是名村役場は2023年10月に仲田1687番地22の新庁舎へ移転しています。古い案内に残る住所へ向かわず、現行庁舎の窓口と開庁時間を確認します。港、診療所、学校も仲田内にありますが、一つの建物にまとまっているわけではありません。
村のAED一覧には、役場の救急車、診療所、保健センター、仲田港ターミナル、フェリー船内、小中学校等が掲載されています。ただし、村は学校のAEDが主に校舎内で管理され、夜間・休日・休校日は使えない場合があると注意しています。住宅から最も近い設置場所だけでなく、実際に利用できる時間と次の候補を確認します。
沖縄県立北部病院附属伊是名診療所は島内の日常医療拠点です。診療時間、休診、対応範囲を確認し、専門診療・検査・入院等で島外へ出る場合は船の往復を組みます。常用薬は残量ぎりぎりで島外予約を入れません。
伊是名小学校・中学校も仲田にあります。諸見、内花、伊是名、勢理客からの通学手段、放課後の帰宅、台風時の連絡を教育委員会へ確認します。島内定期バスの現行時刻を一次情報で確認できないため、存在を前提にせず送迎等を確保します。
買い物は仲田の商店等で繰り返す品、船で入荷する品、島外で調達する品に分けます。仲田に機能が集まる利点を、他四集落から一週間に何回・何時に往復するかへ置き換えます。営業時間と家庭の車利用も重ねます。
勢理客の三ため池と五集落の農地を読む
西側のため池浸水と島の農業用水を、津波とは異なる生活条件として整理します。
勢理客にはサトモ、川口、ウクマシの三ため池があります。村は三つが同時に決壊した場合の専用ハザードマップを公表し、浸水深、到達時間、避難先を示します。西海岸の津波想定と、ため池からの浸水を同じ現象にまとめません。
ため池は農業用水と土地利用を支える施設でもあります。勢理客で住戸や農地を選ぶ時は、ため池の下流、道路の高さ、排水、避難路を確認します。大雨の時に仲田へ向かう道路が浸水想定を横切るかも見ます。
五集落にはサトウキビ、稲作、園芸等の農地が広がります。農道では農作業車、見通し、路肩、収穫期の通行を確認します。内花・諸見の東側と伊是名・勢理客の西側では、風向きや海岸への開き方も同じではありません。
勢理客では三ため池、他集落ではそれぞれの農地・排水を確認し、「島の水問題」という一つの言葉で終わらせません。飲用水の供給と農業用水も混同しません。