一宮市には尾張一宮駅・名鉄一宮駅があり、JR東海道本線、名鉄名古屋本線・尾西線、路線バスが集まります。ただし市域は東西に広く、2005年に旧一宮市、尾西市、木曽川町が合併した成り立ちを持ちます。一宮駅の一つの円では、旧尾西側と木曽川側の日常が見えません。
都市計画は歴史や市街地形成から14区分を設け、交通と拠点を考慮して7地域へまとめています。記事では一宮駅、尾西庁舎、木曽川駅周辺を三つの折返し点にし、平らな街を横切る鉄道・道路・河川を重ねます。
一宮・尾西・木曽川を三つの折返し点にする
2005年に合併した旧市町の中心を、現在の行政・交通・買い物が完結する場所として試します。
一宮駅周辺は鉄道、バス、本庁、商業が集まる都市拠点です。尾西庁舎周辺は旧尾西の生活中心、木曽川駅周辺はJRと名鉄を使える北部の入口として別の役割があります。
候補住所から三拠点へ、食料、通院、行政、学校の四用事を置きます。一宮駅まで最短でも、日用品のため毎回東へ戻るなら、尾西や木曽川で折り返せる住所と一週間の移動量が違います。
三拠点は同じ平日の9時に出発し、二用事を済ませ、17時までに戻る条件で比べます。所要時間だけでなく、乗換、待ち時間、歩道、雨を避けて待てる場所を記録します。
三枚の記録カードには、家を出た時刻、最初の用事を終えた場所、二つ目の用事までの横断、帰宅便、玄関へ戻った時刻を同じ順で書きます。尾西や木曽川で用事が閉じる日を可視化すると、一宮駅を経由しない生活線も比較できます。
合併後の一宮市は、三つの折返し点から読むと生活の向きが見えます。
放射バスは帰りの時刻から読む
一宮駅から伸びる名鉄バス・i-バスとi-バスミニを、往路ではなく復路から確認します。
名鉄バスとi-バスは一宮駅から放射状に伸びます。駅や停留所から離れる地域では、予約制乗合タクシーのi-バスミニもあります。対象区域や予約条件を確認せず、市内共通のタクシーとしては考えません。
帰宅したい時刻から便を逆算します。通院が30分延びた日、買い物の荷物がある日、雨で徒歩が遅れた日の三条件を作り、同じ停留所へ戻れるか確かめます。
予定どおり、30分遅れ、60分遅れの三列へ最終便と待ち場所を書きます。放射状の路線は中心で乗れなくなると別方向へ振り替えにくいため、一本後へ移れない場合は家族送迎を前提にせず、用事の終了時刻そのものを早めます。
i-バスミニは予約不可、接続便を逃した場合、対象外の用事先を別欄にします。帰りが成立しない日は、朝に出られても往路へ乗りません。
放射交通は中心へ出られるかではなく、地域へ戻れる時刻から読みます。
平らな街では横切る線を数える
坂の少なさを便利さとせず、鉄道、幹線道路、河川を越える動線を一週間へ記録します。
一宮市は濃尾平野の平坦地にあります。坂が少なくても、JR・名鉄、国道22号、インターチェンジ周辺の大型車、河川を横切る場所では徒歩・自転車の連続性が変わります。
候補住所から駅、学校、食料品店、診療先へ線を引き、踏切、立体交差、幹線道路の横断、橋を記号にします。昼と夜、平日と休日で交通量が変わる場所は時間を分けて歩きます。
車を使う日も、高速入口の近さだけで決めません。通勤方向と買い物方向が逆なら、毎日国道を横切る回数が増えます。一週間の横断回数を減らせる用事の並べ方を考えます。
横断台帳には踏切を一本、国道22号を二本、橋を三本の短線で記します。月曜から日曜まで数えると、平らでも毎日同じ障害を往復する住所が分かります。週三回の用事を同じ側へまとめられるかまで試してから、距離の短さを判断します。
平地の移動負担は、距離より横切る線の本数に現れます。
14区分を三つの旧市町より細かく見る
都市計画の14区分・7地域を使い、旧一宮・尾西・木曽川の内側にある差を読みます。
旧一宮・尾西・木曽川の三地域だけでも市の成り立ちは分かりますが、現在の暮らしはさらに細かいです。都市計画は本庁、尾西北部・南部、葉栗、北方町、木曽川町、丹陽町など、歴史と市街地形成を踏まえた区分を使います。
候補住所を14区分の該当範囲へ置き、地域内の公民館、出張所、学校、日用品の位置を確認します。同じ旧一宮側でも、駅へ向かう地域と江南・岩倉・稲沢方向へ開く地域を同じにしません。
地区名は住みやすさの順位ではなく、用事を束ねる範囲として使います。週三回以上市境方向へ出るなら、その方向の駅・バス・橋を生活圏へ含めます。
14区分の欄には、最寄りの三拠点だけでなく、日用品、診療、学校または公共施設の行先を書きます。三つ以上が別の区分や市境方向へ向くなら、その住所は所属地区より隣接する生活圏へ開いている、と記録します。
旧三市町の内側を14区分へ戻すと、日常の細かな出口が見えます。
木曽川だけでなく関係する川名を言う
複数水系の洪水と内水を分け、候補住所に関係する川と待機先を固有名で共有します。
一宮市の洪水は木曽川だけではありません。日光川水系、新川・五条川・青木川、郷瀬川・新郷瀬川など、住所ごとに関係する河川が異なります。洪水と内水も別に確認します。
自宅、駅、学校、勤務先、普段通る橋を公式図へ置き、浸水深と継続、避難場所までの横断を見ます。「木曽川から離れる」だけでは、別の河川や内水の方向へ進むことがあります。
家族の連絡票には関係する川名、通らない橋・アンダーパス、現在地で待つ時刻を書きます。市外の岐阜側へ日常的に渡る家庭は、県境の橋を帰宅路として固定しません。
連絡票は木曽川用と市内河川・内水用を表裏に分けます。表には県境を越えない待機先、裏には日光川・新川・五条川など候補住所に関係する川名と、雨量が増した後に近づかない橋や低い横断部を書きます。
水害時は市名ではなく、関係する川名を家族で言い分けます。